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そう、これは深いのだ。果たして猫は後悔するのか。
哲学者の野矢茂樹氏の著作『語りえぬものを語る』(講談社)の第1章の表題には「猫は後悔するか」とと記されている。
結論は、まず5行目にあっさりと書かれる。
「私の考えでは、しない。いや、できない」ということだ。異論のある方もいるかもしれないが、まずは氏の考えを追っていく。
そもそも、後悔するには、事実に反することを想像する必要がある。では、なぜそれができるのか。そのためには、「世界が分節化」されていなくてはいけない。
「犬が走っている」という事実がある。その時僕たちは、「犬」という対象と、「走っている」という動作という要素から構成されていると捉える。これが分節化だ。
分節化された世界にいるからこそ、「犬が逆立ちする」という事実に反することを想像できる。そのためには、分節化された言語が必要だが、猫はそれを持ってない。
犬が走っていれば、「走っている犬」という現実に対処するだけである。猫だけではなく、犬だってそうだろう。
という説明である。たしかに、そうだ。 >> 「猫は後悔するか」問題について。の続きを読む