なんか、ムズムズする。花粉でもなければ、証人喚問でもない。「綾鷹」の広告のことなんだけど、最新のコピーはこうだ。
「この国のもてなし」
緑茶にはもてなしの心が込められている。その精神を受け継ぎ、急須で淹れた緑茶の味わいに挑み続けるという。
その意気や良し。おお、うっかりして大時代的な表現をしてしまった。というか、だったら急須で淹れればいいんじゃないか。いや、それを言ってはいけないのか。
それにしても、「この国」というのが、どこかムズムズする。そういえば、綾鷹は以前にこんなコピーだった。
「日本人の味覚は、世界一繊細だと思う。」
ちなみに広告表現において「一番」のような最上級表現はむやみにしてはいけない。数的なものであれば根拠を明示するのだけれど、何といっても「味覚」だ。しかも製品のことを言っているわけではなく、文末に「思う」とある。
だからいいのか?というと、これもまた相当にムズムズする。
でも、綾鷹はこのムズムズ感において、一貫性がある。
つまり、「世界一繊細な味覚を持つ国民が、ペットボトルのお茶でおもてなしをする」ということだ。
こうやって書いてみると、やっぱりムズムズする。
しかし、コカ・コーラのほどの企業なのだから、こうした広告をするには理由があるのだろう。つまり、こうした表現を受容する人がたくさんいて、そういう人はあまりムズムズしない。
だから、広告をああだこうだ言うのは野暮なのであって、まあ今の日本がそういうことなのか。
と思っていたら、もう一つムズムズするものがあった。 >> 「綾鷹」の広告がムズムズする。の続きを読む