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石原慎太郎が、先の記者会見で自らの歳にからめて「若い人、しっかりしろよ」と発言した。まあ言いそうなことなので別段驚かないんだけれど、読売オンラインの記事がおもしろかった。「若い人」(と言っても学生から50歳前後まで含んでいるが)の反応が「共感と反発」に分化しているという。(日経にも同様の切り口の記事があった)
まあ取材した範囲だから、どっちが多数派か?とかはわからんのだが、なるほどなと思った。
ただ、この手の発言は彼だけじゃなくて、企業経営者や幹部がよく言ってることでもある。そして、そこには共通した現象と心理が垣間見えるから面白い。別に80歳じゃなくても、こういう発言する人には似たところがある、ということだ。
まず、「若い人が出てこない」という人は、そもそも自分がどいてない。長いことレギュラーに居座っている芸能人も似た様なことを言う。「俺のポジション取りに来い」とか言っているけど、そもそも自分が今のポジションに執着している人が、他人事のようにのたまう。
これは企業でも、そう。
次に、育成策を実行していない。「育てられた」という感謝を持っている人は、育成に注力するが、自分でよじ登ってきた人は、他人もそうするだろうと思っている。まあ慎太郎もそうだろう、実力でのした人だからだ。企業でも、自ら這い上がった幹部は、過剰な現場重視をするし、育成を軽視する。同じような時代ならどうにかなるが、環境変化には脆い。
そして、決定的な特徴は過剰な自己愛だ。結局、「若い人がしっかりしてない」というのも、「だから俺がやる」ということの”枕詞”である。結局は自分が愛しく、大切ということだ。経営者にもいるでしょ、「再登板」みたいなパターン。
しかし、政治家であれば若い人も選挙を通じてNOと言うこともできる。もちろんYESでもいいけど。しかし、企業ではそうもいかない。
「若いのがしっかりしてない」という企業幹部の発言は、組織が傾くアラームとして聞くしかないのだろう。
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