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東京の街を歩いて、「昔はここに」という話になったら、十分に年寄りだと思うけれど、僕は20代の頃から結構好きで古地図の本などを買っていた。
ただ、時折「エ?」と思うことはもちろんあるわけで、先日『落陽』という朝井まかでの小説を読んでいたら、意外な文章に出くわした。
この本は明治神宮造営までのプロセスを追ったフィクションだが、関わった帝大の博士などは実名で登場する。当時の東京の描写もとても生き生きしていて引き込まれた。
そして、主人公たちが神宮の造営予定地に立つ場面があって、そこから見た風景が描かれる。
「淀橋の浄水場」はわかる。いまの新宿西口の高層ビルのあたりだ。「瓦斯蔵」つまりガスタンクも見当がつく。いまのパークハイアットだろう。あの敷地にはいまでも東京ガスの施設がある。
けれども分からなかったのが「渋谷発電所」だ。まず思いついたのが「電力館」なのだが、あそこは元々区役所があったところらしい。そして、検索してみると東京都交通局のウェブサイトに行き当たった。交通局はいまでも多摩川で発電するなど電気事業もしていることを初めて知る。
そして、「電気事業の歴史」というページの冒頭にはこうあった。 >> 「渋谷発電所」って、どこにあったんだ?の続きを読む