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就活が始まる頃になると学生から決まって聞かれることがある。
「どうして、広告業界を志望したんですか?」
「自己PRとか志望理由はどんなふうに書いたんですか?」
聞きたくなる気持ちはよく分かるのだけれど、うまく答えてこなかった。半分はホントに忘れているのだが、もう半分は何となく照れくさいのでちゃんと思い出そうとしなかったのだ。だって、何か恥ずかしいじゃない。もはや四半世紀前のことなのに。
ただ、あまりにも聞かれたり、今年は学生相手に少人数クラスを持っていろいろ相談も受けたので真剣に真剣に考えたら、最終面接のことを思い起こした。
就活時に僕の話の構成は二本柱があった。一つは高校から続けていたオーケストラの話で、これは「チームプレイ」への話へつなげる。もう一つは大学の研究室の話で、選挙分析で統計などもいじっていたのでこれを「マーケティング」につなげる。あとは、自分の「人となり」として、まあ読書好きだったりしたことを話してきた。
ところが最終面接で、このパターンで行き詰ってしまった。
明らかに面接の雰囲気が滞って、前にいる面接官(おそらく役員クラス)がつまらなそうにし始めたのである。
(しまった……)
と思った時に、一人が尋ねてきた。