先週の土曜日は日本広告学会の集まりだった。
集まり、っていうか正式には「クリエイティブフォーラム」というもので、丸一日かけて「クリエイティブ」をテーマにいろいろな人が発表する。学会の大会では会員中心になるのだが、今回は広くクリエイターを招いた。
そこで、僕も研究報告ということで話したのだった。
テーマは広告なんだけど、社会やメディアの話をする中でテレビのことに触れた。
そこであらためて思った、というか話しているうちに気づいたんだけど、本当に今のテレビって「未来」の情報が少ない。
ノンフィクションでいうと、ニュースやスポーツ中継や討論番組は「現在」を伝える。
そして歴史など「過去」を伝える番組もある。ところが「未来」に関する話って、減っている気がする。2000年頃はNHKなんかで色々やっていた気もする。
時間軸だけで考えないで言うと「未知」の話が少なくなっていると思う。たとえばクイズ番組。昔は「世界なんとか~」みたいなクイズ番組があって視聴者に「未知の情報」を提供していた。いま、そうした番組は減ってしまった。クイズとか見ていると視聴者にとって「既知の情報」を出して、それを知らない芸人を笑うという構図である。
広告だって「見たことのない世界」がどんどん減ってきた。かつてのTVCMは「未知の世界」を提示して、そこに消費者を誘うというのが定番だった。今でもそういうのは多いけれど、関係者はその効果の低さにアタマを悩ましているのだろう。
そして、番組も広告もテレビには「現実」だけが溢れかえった。
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