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宝塚歌劇団宙組
『翼ある人びと―ブラームスとクララ・シューマン―』
作・演出/上田 久美子
2014年2月26日 日本青年館大ホール
ブラームスの才能を見出したシューマンは「新しい道」と題した評論で、彼を称えたというけれど、今回の作・演出の上田久美子さんも、まさに「新しい道」だと感じた。
僕はクラシックを聴くし、就中ブラームスは大好きなので、むしろこの公演は気になりながらも迷っていた。ところが関西公演のリハーサルをCS290chのスカイステージで見ているうちに、「もしやかなり面白いのでは」と予感したのだが、想像をはるかに上回る、素晴らしい舞台だった。
若いブラームス、彼を見出したシューマン、そして妻のクララ。ブラームスはクララに恋心を抱いたのではないか?というのはずっと謎として語られていた。このストーリーも一歩間違えるとただのメロドラマになる題材なのだけれど、そんなことは全くなかった。
なぜか?というと、この時代の作曲家の苦悩がていねいに描かれていることで、とても骨太な構成になったからだと思う。