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で、最初に言っておくと「ぐるなび」でも「カーナビ」でもありません、今日の話は。就職活動のナビサイトのこと。
ゆるゆると始めた「就活セットアップ」の連載だけど、第1週は学生が気にしているポイントを5つほど取り上げていこうと思ってる。で、今日の掲載記事は就活の「情報」について書いておいた。
簡単に言えば、いわゆる「ナビサイト」に振り回されるな、その背景をつかんでおこう、ということになる。
12/1の解禁後はもちろん、学生は恐ろしいほどの量の情報の海に投げ込まれている。それは企業からの情報ではなく、リクナビやマイナビなどの「ナビサイト」から発せられている。
日本は短期間で新卒一括採用をするため、こうした就職支援企業のビジネス機会は増える。自前で採用・広報システムをゼロから作って運用するのは、たしかに割に合わない。もっと中長期的に学生と付き合って採用するなら、このようなエントリーシステムは必要ないだろう。
だからナビサイトが盛んになることは、まあ経済団体の決めた仕組みから出た必然でもあり、その存在の可否を論じるつもりはない。
ただ、ここ最近の動きを見ると「ちょっとハシャギ過ぎじゃないか」と思っている。
まあナビサイトの広告をするのも自由とは思うが、12月1日の駅貼り広告とか恐ろしい量が出る。いわば「開戦告知」のようなものだ。当然、学生は焦る。情報の荒波で強烈な船酔いを起こす状況になるが、その荒波をナビサイトが作っている面もある。
学生に見せてもらったのが、どんどんコンテンツが増加している。ただし、本質的な「ナビゲーション」になってはいない。こうなると、「情報をやり過ごせる学生」じゃないと精神的に厳しいだろう。
潜在能力を持っているのに「ウロウロしているうちに就活終了」という学生が結構いるのだ。そういう状態はとにかく避けたいな、と思ってこの企画を始めてみたわけである。
ま、これは学生に限った話ではない。そもそも、ナビゲーターというのは「目的地を持った人」にとっては便利だが、目的地を決めてもらう仕組みではない。それなのに、情報に対して過大な依存をしているのは大人も同じなんだけどね。



リクルートがいきなり「リクナビの7つの約束」を掲げた。
7という数字は一種の神秘数である。そして、もっともクラシックなケースがキリスト教における「7つの大罪」だ。少々皮肉な見方であるが、この約束が仮に「今まで実行されていない」のであれば、語尾を否定形にしただけで「7つの大罪」に変わってしまうだろう。
いや、「今まで実行されていたか」については、ここに書いていないし、私も詳細を知らないのでコメントできない。できていたことを、改めて宣言されたのかもしれない。
ただ、唐突に感じた、ということだけである。
しかし、一番大切なことは、あの「約束」には書かれていない。それは、当然のことなのだが、とても大切なことだ。
それは、就転職ビジネスはあくまでも、企業がお金を払っていることで成り立っているということ。そして、その企業情報は本質的には「広告」であるということだ。「ジャーナル」という名のつくメディアもあるが、そこには企業に対してのネガティブな情報は見られない。
就活ナビ、というのは企業がカネを出すショーケースなのである。ショーケースの運営をいかに改善しても、広告情報の塊を見て就職を決めることには一定のリスクがあることに変わりはない。

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