ドイツの地方選挙がおこなわれた。州にもよるけれど、メルケル首相のCDUは退潮で、いわゆる「反難民」の右派政党「ドイツのための選択肢(AfD)が伸長したという。
米国では、トランプと反トランプが、文字通り「激突」状態になってきた。
また、ポーランドでは昨秋に政権をとった「法と正義」という右派政党が憲法裁判所を制御しようとしている。
明らかに、何かが起きている。それを極右的勢力の台頭とか反リベラルなどという評するのはやさしい。ただし、一つ明らかなことがある。
それは、一定以上の人々が支持しているという事実だ。
そして、もう一つの事実があって、それは主流のマスメディアの論調とは逆ということだ。
米タイム誌は2015年の「今年の人」に、ドイツのメルケル首相を選んだ。
トランプについては、米国のワシントン・ポストが「トランプ絶対阻止」という異例の論説を出した。エコノミストなども、強く批判している。
しかし、支持者はいる。
トランプの支持拡大などは、多くの人にとって「想像もできなかった事態」ではあるが、それはマスメディアが想像できていなかった、ということだろう。彼らの常識の外に、多くの人がいて、メディアはその波を感じることができなかった。
似たようなことは日本でもあった。2014年の都知事選で田母神俊雄氏が60万以上の得票を記録した時も、メディアは結構慌てていた。 >> メディアが正論を唱え、そして正義は遠ざかる。の続きを読む
近所を散歩していたら、ある家の軒先から夫婦の会話が聞こえた。
「誰が、そんなこと言った?」
「だって、テレビで言っていたもの」
突っかかった夫はそこで沈黙したらしい。前後のことはわからないのだけれど、こういことはよくある。特に一定以上の歳の人は、メディアの情報を鵜呑みにする。
実際にはメディアの情報はすべてが本当とは思えない。別に意図的な嘘でなくても、「嘘」としか言いようのない情報は巷にあふれていて、それはマスメディアでもインターネットでも同様だろう。
で、どんな時にどんな「嘘」が生じるのだろうか。
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1.過剰期待で生じる嘘
「料理番組のレシピが今ひとつおいしくない」とか「芸能人の喜んでいた宿がたいしたことない」「褒められている映画がクソだった」というようなもので、これはメディアのコンテンツや登場人物に対する過剰期待から生じるパターン。まあ、よほどのバカでなければ段々と学習して、信頼できる情報ソースを探すはずだ。
2.予測で生じる嘘
これはスポーツの順位予想から、経済政策論議までいろんなところで出てくる。つまり「予測」というのは複数あれば誰かのものが外れるのだから、ある意味宿命的なもの。ただ、「岡ちゃんごめん(#okachan_sorry)」が生まれるネットに比べて、マスメディアにはかなりのトホホ感が残る。
3.ミクロな嘘