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妻が恩田陸の小説を読んでいたのだが、惹句を読むと「超巨大台風のため封鎖された空港。別室に集められた11人の中に、テロ首謀者がいるというらしい」あ、これはどこか既視感があって、まさに「11人いる!」ではないか。
恩田陸は、萩尾望都からの影響を受けていると言っているが、萩尾望都の作品が他の作家に与えた影響は相当広範にわたっていると思う。
文庫版『ポーの一族』には、宝塚歌劇の小池修一郎や作家の宮部みゆきがエッセイを寄せているが、宮部は萩尾を「多くの後続の作家のエネルギー源」と書いている。コミックはもちろん、小説や映画や舞台、あるいはゲームまでその影響は広い。直接彼女の作品を知らなくても、さまざまなクリエイターを通して知らぬ間にその世界を感じていることも多いだろう。そういえば「11人いる!」というドラマもあった。宮藤官九郎の作品である。
というわけで休み中に『11人いる!』を読み、と初期の傑作群を読み返して、やはり嘆息してしまう。『ポーの一族』を連載している間に、『11人いる!』『トーマの心臓』と送り出すわけで、「才能が迸る」とはまさにこういうことだったのか。どれも20代の仕事だ。 >> 【GW本祭り】晴れた初夏の午後に、『ポーの一族』。の続きを読む