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さて、制作費削減をめぐる厳しい状況を見てみたが、売り上げや利益はどうなっているのだろう。まずは各局の売上を2009年度と2010年度で眺めてみよう。参照はこちらのページがわかりやすい。
2009年度は、ご記憶のように前代未聞の経済後退だったので、各局ともかなりのマイナスだった。2010年度はどうだったかというと、フジテレビとテレビ朝日が微増で、あとは微減だったということがわかる。このグラフを見ている分には各局ともあまり違いがないように思えるが、営業利益を見ると「差」が明快になる。
まず、フジテレビの伸び率が高いことに目が行く。98億から222億と2倍以上の伸長だ。ただし絶対額については、NTVの方が高い。一般的に言って、営業利益は「本業の実力」である。この数字に執着すること自体は経営者としては「普通の感覚」だとは思う。
つまり各局とも「減収増益」あるいは「増収率<増益率」(除テレビ東京)という状態の、10年度決算だ。これはステイクホルダーによって評価、というか損得のようなものが異なってくる。原価を削ってでも利益を確保すれば株主からの評価は高いだろう。しかし、社員にとってはひたすら忍耐を要求されるし、もっともしわ寄せを食らうのは当然発注先の下請け企業なのだ。

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そして、フジテレビは売上では1位であるものの、営業利益では日本テレビの後塵を拝している。そして、日本テレビが利益を「キッチリ」と伸ばしているのに対して、フジテレビは「エイヤ!」という感じの伸ばし方であることが、グラフから直感的に理解できるだろう。売り上げに比して、利益を伸ばしているようなという時は、必ず社内外のどこかで「無理」が起きるのだ。放っておくとフジテレビは「収益力の低い企業」という評価になってしまうだろう。これはたしかに難しい局面ではある。
ただし、フジテレビのみでなくテレビ局に言えることなのだが、そもそも「減収→原価低減」という発想が本当に正しいのだろうか?

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後日、と言いつつとりあえず第2回目を書いておこう。内容は制作費に関することの続きだ。
恐ろしいほどの減少幅の制作費であるが、実は今年度はその減少に歯止めがかかるはずだった。5月に行われた民放各局の決算説明会では、制作費をこれ以上圧縮しない動きが見られている。こちらの記事を見ればわかるように、テレビ朝日とテレビ東京は増額。他の3局は横ばいから削減ということであり、これまでとは明らかに潮目が変化したと思われた。
ところが2011年度の第一四半期の決算を見ると、各局とも減少傾向が続いていることがわかる。前回に続いて、こちらのページを参考にして、グラフにまとめてみた。
まず、全局で制作費の減少が続いていることがわかる。東日本大震災の影響による収入の減少が影響しているのだろうと思われる。
テレビ東京の二桁減が目につくが、絶対額ではフジテレビが-17億円で最大だ。それでも各局の中では最高の制作費である。
しかし、もともと多額の制作費を有している局は、またリストラもダイナミックにならざるを得ないのである。これはテレビ局に限らず、一般企業でもそうだし、家計で考えても同じことだ。
仮に月の出費が20万で生活している家計があったとしよう。仮に10%の支出削減をする場合はどうするだろうか。まずは、各項目を10%ずつ減らすことを考えるだろう。そもそも、万単位の出費が少ないからである。

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