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「オレの愛したソニー」という連載記事が話題になった。
ソニーという企業は不思議なもので、社員でもないのにやたらとソニーに詳しいという人がいる。いわゆる「ソニー本」のマニアという感じだが、そうでなくても日本人の関心を惹く企業であることは間違いない。
個性豊かなOBたちのインタビューは、お話としても面白いし、経営を考える上で学ぶことも多い。歯に衣着せぬという表現通りで、存命の経営陣もバッサリだ。それにしても、現役社員の気持ちはどうなんだろう。
で、僕がずっと引っかかっていたのはタイトルだ。これは、編集部がつけたものなので、ソニー自体とは関係ないのだけれど、このフレーズにピタリとくる企業名はそうそうないのではないだろうか。
まず、「愛した」という時点で擬人化されている。つまり、ブランド・アイデンティティが強烈じゃないと成立しない。
そして、何といっても一人称が「オレ」だ。つまり、男性である。ここでは対象が「女性的」なパーソナリティでないと、成立しない。
「オレが愛したクレーム・ブリュレ」ならまあいいけど、「オレが愛した納豆蕎麦」では、成り立ってくれない。「カレー南蛮」も厳しくて、「一枚のせいろ」ならどうにかなるのか。
いや、そういう話ではない。 >> ソニーという女神を巡る、男たちの愛憎。の続きを読む