先日区役所に用事があった。
「132番でお待ちの山本さま~」という言い回しが飛び交っている。
「136番のカードをお待ちのお客様~」と「正しい日本語」だと思ったら、合成音声だった。まあ、そういうものだろう。
旅先では、客商売ならではの謎の言い回しをよく聞く。先日泊まった旅館では、朝食の案内がいちいちこんな感じだった。
「こちらは湯葉となっておりまして、よろしければ火の方をつけさせていただきます」
ご飯も味噌汁も、すべてのものが「なっておりまして」、「おかわりの方」がいただけるそうだ。ありがたい。
そういえば、今春に京都の寺社で期間限定の特別公開を中心に回ったのけど、こういうところも、また独特だ。
「こちらは、人数を限らせていただき、お一人様ずつの入場という形になっております。靴はお脱ぎ頂くという形になっておりますので、ご協力の方をよろしくお願いします」古都がそうなんだから、もう仕方ない気もする。
「~という形」「~の方」「~になっております」という言い回しは、「正しくない」感じがするし、そう思う人も多いようだけど、多分これからなくなる気もしない。
それにしても、なんでこういう言い回しが増えてきたんだろう。
まず、共通するのは「婉曲」ということだ。「ご飯です。おかわりはいつでもお申し付けください」でいいんだけど、それじゃ何かが足りないと思うのだろう。 >> 「という形になっております」的な言い回しで思うこと。の続きを読む