糠漬けを入れているホーローパックのパッキンが古びてきたので、注文した。

ネットで消耗品のナンバーを調べて、それを最寄りの店舗に電話で発注する。そして、入荷後に取りにいくという段取りだ。

簡単なやり取りがあって、「入荷は10月1日になります」という。はい、わかりましたでおしまいかと思ったらこう言われた。

「お電話は大丈夫ですか?」

思わず聞き返ししてしまった。僕の電話が異常なのか。いや、きっと電話を掛けるかどうかだと思うんだけど、「大丈夫ですか?」と言われてもわからない。

「おでんを食べませんか?」ではないと思うし。

で、彼の意図は「入荷のお知らせは電話しなくてもいいでしょうか?」という意味だったらしい。10月1日以降であれば開店後はいつでもありますよ、と。

「大丈夫」という言葉は、「丈夫」に「大」がついている。元の意味は「立派な男子」で、まあ、それが派生して「任せておける」みたいな意味になって、「無事」のようなニュアンスでも使う。

ただ、もう10年以上前から「OK」みたいな意味でも使う人が増えてきた。ただ、これも相当変だ。

飲食店などで「お皿、大丈夫ですか?」と言われたら、下膳してもいいか?ということで「皿が割れてませんか?」ではない。ただ、「お酒、大丈夫ですか?」となると「もう少し飲みますか?」という意味だと思う。

別に、「酔ってませんか?」という意味ではないんだけど、もう相当に適当だ。 >> 「大丈夫」という言葉が、とても大丈夫とはいえない件について。の続きを読む



img_1925先日久しぶりに武道館に行った。もう何十年ぶりか、という感じだったが歳をとると見るところが違うものだ。

南2階席に入った途端に、いきなり妙なことに気づく。

正面に「日の丸」が、見下ろすように掲げられているのだけど、「あ、これは参拝なんだ」と感じた。

武道館の日の丸は、どのようなイベントでも掲げられているが南を向いている。そして、舞台は北に設営される。

つまり、客は日の丸とアーチストをともに見るのだけど、これは「拝む」ことにもなる。多くの神社の本殿は南に向いているが、武道館の方位はそれと同じなのだ。設計に際しては方位にこだわったのだろう。座席ゾーンの名称が方位になっているのは必然となる。

ちなみに、南に向かない場合は東向きとなる。すぐ近くの靖国神社がそうだ。

ただ、地図で見ると靖国神社の参道はやや北向きだし、武道館も真北を向いてはいない。その結果、武道館の南北軸と靖国神社の参道が90度になっているように見えるのだけれど、意図的なのだろうか?

そんなことを考えつつ、ふと思ったのだが、テレビで観る相撲はどうだっただろう?あまり観ることはないのだが、たしか左側が東のはずだ。 >> 武道館は「参拝」で、大相撲中継は「神の視座」だった。の続きを読む



img_1685今年の台風は北に厳しい。北海道は相当の範囲で被害を受けているし、東北でもかなり大変だ。集落の孤立や農作物の被害などはニュースでも報じられるが、東京にいると実態がつかみきれないことも多い。

落命することはなくても、生活の基盤には相当の影響が出ているようだ。それを、たまたま購入したショップからのメールで知ることもある。

「nekozuki(ねこずき」という名前で猫グッズの販売をしている会社が岩手にある。ここで、グッズを買っていたことがあったのだが、場所は失念していた。ところが、メールによると、相当の被害だという。

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いつもnekozukiをご利用いただきありがとうございます。

8月30日に発生した台風10号の影響で、工場が甚大な被害を受けました。

昨日9月2日まだ通行止め箇所が多数で辿り着けるか不明でしたが居てもたってもいられず、10時間以上かかりましたが現地へ到着し状況確認をしてきました。

幸い工場の方々に人的な被害はありませんでした。nekozukiのスタッフにも被害はありません。

ただ工場の機械設備、材料等すべて濁流に飲み込まれるという想像以上の被害でした。

2011年の津波、今回の台風と自然の厳しさをあらためて思い知らされました。 >> 台風で被災した、岩手の「nekozuki猫好き」というショップのこと。の続きを読む



じゃあ、自分はどうかというと、1人で店に行って飲む。そもそも、スマートフォンを持っていないし。まあ、タブレットは殆ど持ち歩いているけど、連絡を見る時くらいだろう。

最近、1人で飲む人が増えてきたと思う。立ち飲みのようなカジュアルな店が増えたこともある。また二次会が減って、22時くらいから「落ち武者の集い」みたいになることもある気がする。

そして、スマートフォンも大きな役目を果たしているような気がする。

1人でメシを食うのを嫌う人もいるが、抵抗は減っているだろう。ファストフードなど、それを前提にしているし、大戸屋のように大きなテーブルにして、入りやすくしている店もある。

ただ、1人飲みのハードルはなかなか高かった。簡単にいうと「飲みながらどうするか」というのが、なかなかに難しい。 >> スマホなしで、1人で飲める?の続きを読む



「食べログ」がきな臭いようで、こんな情報が飛んでいる。

もともと、怪しげなことをやるようなビジネスは、どこかうまく行ってないことが多いんだけど、感覚的に言って、あのサイトの影響力は段々と低下していると思う。

インスタグラムなどの影響もあるだろうし、近くで探すならグーグルマップから検索しても、大体の見当はつく。ちなみに自分の周りの友人は、あのレビューを信じていない人ばかりで、まあスターバックスをうまいと思ったことがないようなタイプである。

でも、一番の原因はあのレビューの文章に漂う、独特の香りにあるのではないかと思ってる。

そもそも、食を文章にするのは難しい。そもそもが、「おいしさ」は相対性が強い。エリアによっても違うし、同じ人でも時によって異なる。打ち上げのビールはうまいが、通夜のビールは苦い。

それに、単なる味覚の鋭敏さであれば、人間以外の動物の方が鋭いのではないか。家の猫に、たまに刺身をやるが養殖はまず食べない。しかも、クンクンと匂いを嗅いでから、不審そうな顔をして去っていく。

ちなみに、この話をSNSに書いたら、猫飼いはみんな「そうそう」と言った。

まあ、味覚なんてそんなものだと思う。

話が逸れた。まあ、そういう味に関することを懸命に書けば、大概は野暮になる。まして点数をつけるというのは、それは「お上りさん」の趣味だろう。ミシュランが旅のガイドに由来すると言うのは、そういうことだ。 >> 哀愁漂う、「食べログ文学」の世界。の続きを読む