コンビニに入ったら、猫と目があった。いかん、ananか。2/22の「猫の日」(って誰が決めたんだか)がも、いらぬ市民権を得て増殖している。
猫好きは、なぜか猫まみれになる。それを知っているからか、猫好きを狙って、さまざまな猫グッズが溢れる。特にミュージアムショップは鬼門だ。
ふと気が付くと、手持ちのクリアファイルは猫だらけだ。藤田嗣治に徳川美術館、もう一つは山種だろうか。
仕事別に「これは猫のファイル」というつもりで整理していたのに、気が付くと他の仕事の書類があったりする。これだけ猫のファイルがあれば、混乱するのも仕方ない。
折りたたんで持ち歩いているショッピングバッグは猫と音符と鍵盤がデザインされているけど、これは新国立劇場のロビーで買ってしまった。
なんで、オペラハウスに猫グッズがあるのかと思うが、東京文化でも浜松楽器博物館も猫グッズが多い。
美術館だけではなく、ホールも狙われている。猫好きの消費行動は読まれているのだ。 >> 猫好きは、なぜ猫まみれになるのか。の続きを読む
大学の入試が続いている。とあるサイトに出ているバナー広告で、僕の出身学部の合格発表が今日であることを知った。いまだに、受験番号は記憶している。
しかし、今だったらどんな学部を受けただろうか?
僕の卒業した学部は法学部政治学科で、法律関連の科目は「法学概論」だけが必修だった。法律の基礎知識については、ミステリー小説で知った。大岡昇平の「事件」というのが結構勉強になったという記憶があるけれど、いま奥付を調べると中学生の時に読んでいた。
政治学といっても結構幅が広くて、僕は「西洋外交史」を専攻したかったのだが、入学したら定年になっていた。なんで入学案内にわざわざ写真が載っていたのかと思うが、事前の下調べといってもその程度だったのだろう。
その後は、アフリカの地域研究に関心を持ったのだけれど1983年の総選挙の開票速報を見ているうちに気が変わった。選挙理論と予測モデルのゼミに行ったのだが、統計の基礎を学んだことはその後の仕事に大きく影響した。
では、いまだったらどんな学部を選ぶだろう。 >> いま文系学部を受けるなら「文学部」がいいと思うワケ。の続きを読む
トランプが大統領に就任してひと月が過ぎた。過去を振り返ると「もうひと月か」ということが多いけれど、どちらかというと「まだひと月か」という感じである。彼の任期は、この48倍だ。いったい何が起きるのか。
だいたいトランプ関連のニュースの比率が異様に高くて、NHKからワイドショーまでトランプばかりだ。「トランプウォッチ」というフォローを始めたメディアもある。
ただ、日本人がトランプをめぐって「語れること」は、もう尽きているようにも思う。当選してからの流れはこんな感じだろう。
①知らないアメリカ」についてのうんちく
「彼があれだけ支持を集めるってことは」という背景をいろいろな方が説明した。「ラストベルト」とか「レッドネック」とかなんか色々あったでしょ
②パーソナリティへの注目
まあ、あれだけの個性だから「脇にいる坊や」から「目の周りだけが白い」とか、私生活に至るまでネタは尽きないわけだ。
③で、日本はどうなる?
選挙戦の時から安全保障の問題とか言ってたけど、クルマメーカーの名前が出た辺りでいきなり焦って「自分ごと」になってきて。
④そして実際の政策の話
就任以来ぶちかまされた大統領令、ことに入国制限をめぐる話は反発も強く、司法との関係もあってご存知の通りの大騒動。
だから、こんな会話にしかならない。
「トランプを支持する層があれだけいたんだねぇ」
「ああいうキャラが結局アメリカでは強いんだよ」
「でも、いまさら日本の自動車メーカーに文句言うのって勘弁してほしいよね」
「だいたい、大統領令も乱暴すぎるでしょ」
「けど、アメリカでは結構支持している人いるんでしょ」
というわけで、①に戻るのだ。入国禁止令にしても「とんでもねぇな」とは思いつつ、義憤を感じている日本人はどれだけいるのか。
とりあえず「火の粉はかぶりたくない」一心だから、一部からは揶揄されながらも安倍首相の支持率は上がる。そんな程度だし、その感覚はメディアも同じだろう。
そんな日本のメディアでトランプ関連のニュースをこれ以上見たり読んだりするのは、一休みしたい。メディアも報じているつもりで、完全に「塗りつぶされて」いる。「トランプ出しておけば読まれるだろう/見られるだろう」なんだろうけど、もっと大切なことはいろいろあるはずで、報じられてないこともあるようだし。
と思っていたら、今度はマレーシアであの国がショーをやってくれた。ますます大事なことが見えにくくなるよなあ。
米国のいわゆる「入国制限令」には驚いたけれど、今日のニュースでその賛否を問う世論調査の結果があってさらに驚いた。
賛成が49%で、反対が41%だ。「賛否分かれる」という見出しのメディアもあるが、この差は想像以上に大きい。ロイターの調査でサンプルも十分にある。
基本2択の賛否調査だと、昨年の英国のEU離脱や米国大統領選を思い出すが、もっと競っていただろう。
NHKのニュースサイトには慶大の渡辺靖教授のコメントがあるが、これが興味深い。
「アメリカで起きている抗議デモなどを考えると49%が賛成というのは意外だが、調査のやり方に問題がないとすれば、自国の安全に対するアメリカ国民の憂慮の現れではないか」
氏のコメントはいつも比較的ニュートラルな印象があるけれど、わざわざ、「調査のやり方」にまで言及しているあたり、驚いているようだ。同時期のギャラップの調査だと支持率より不支持率の方が高いので、政策への賛否とはまた別の構造になっているのだろう。
そして、共和党支持者の51%が「強く支持」で、民主党支持者の53%が「強く反対」ということも、伝えられている。
ただ、それならどうしてここまで賛成が多いのか?ロイターのサイトに行くと、手掛かりがあった。
まず、全体が1201人で、民主党支持者は453人で共和党支持者は478人。やや共和党支持者が多いが、問題はここではない。
「賛成:反対」の比率を見てみよう。
共和党支持者は82:13。「どちらとも言えない」が5%。
民主党支持者は23:70。「どちらとも言えない」が7%。
つまり、民主党支持者の中にも今回の入国制限を賛成している人が、20%以上いて中間を含めると3割になる。この「揺れ」が全体の差になっているのだ。
さらに「安心感が増した」は全体で31%にとどまり、逆は26%。この質問についてはそもそも「どちらとも言えない」が43%に上る。
つまり入国制限令自体は「やってよかったんじゃない」が民主党支持者にも一定数いる一方で、効果については全体的には懐疑的という感じだ。
他社の調査データもそのうち出てくるだろうが、いずれにしてもこれが米国全体の空気感なのだろうし、少なくても報道で伝わる感じとは相当異なる。
先の渡辺氏がいみじくもコメントしていたが「抗議デモ/集会」のニュースはそうした錯覚の一因になりやすい。もちろん、それが政権をひっくり返す勢いになることもあれば、結果的には「一部の行動」が過剰に拡大されることもある。
日本でも一昨年の安保法案の時は、相当デモや集会があって内閣支持率も低下したが、その後は回復した。一方で韓国の抗議活動は政権を崩壊させている。全体の縮図かどうかは、それぞれなのだ。
いずれにしても、「デモ/集会」のニュースは、気を付けて見た方がいいと思う。メディアの気分は、もしかしたら冷戦崩壊の四半世紀前から変わっていないのかもしれないが、あの時はインターネットもなく、現在ほど世論は複層的ではなかった。
米国民がこぞって反対しているように報じれば、この調査結果をもとに「報道は嘘だ。国民の多数派支持してる」とtwitter攻撃のネタにされるだけかもしれない。
デモや集会に参加していない人たちが何を考えているのか。そこを深く知り、考える必要があるのだろう。
そう思うと「米国は移民の国」のような観念論で、問題は解決できるのか?それは「日本は侍の国」とどこが違うのか?この辺りの冷静な議論としては、三浦瑠麗さんのこちらのエントリーが、とても説得力があった。
いずれにしても、大統領の政策に嘆きつつも、報道に対しても覚めた目を持たなくちゃいけない。ああ、大変だ。
そして、ついつい猫動画でも見たくなる。あれが流行るのも本当によくわかるよ。
人をどのような代名詞で呼ぶか?というのは日本人にとっては、なかなか議論の尽きない話だ。日本語の代名詞についての特徴は、以前こちらでも書いたが鈴木孝夫氏の「ことばと文化」が実におもしろい。
そうした代名詞の使い分けは面倒だけれど、意外なメリットもある。
銀行を装っているメールなのに「貴様のアカウント」とか書いてあるために、一発で「これはダメだろ」とわかる。外国人の詐欺団にとって、日本語は参入障壁なのだ。
そして、欧米語に比べると、代名詞だけではなく、「おじさん」などの「親族名称」でを使い、それが時には他人にも使われる。
というわけで、人の呼び方はいろいろだが自分の配偶者をどう呼ぶか?というのはなかなか難しい。
そんなことを考えたきっかけは作家の川上未映子氏が書いた『「主人という言葉が心底嫌い」というタイトルの文を読んだからだ。
彼女は、自分の夫を「主人」と呼ぶのを聞くと気が滅入るという。また妻を「嫁」と呼ぶことも嫌いだという。「主人」も「嫁」も差別用語として認識されるべきという話だった。
個人的には「嫁」は使わない。彼女の書くように「夫」「妻」でいいとは思う。だから主旨は理解できる。でも、この文章には何だか違和感がある。
どうしてだろう? >> 「主人」も「嫁」も、嫌うのはわかるんだけどさ。の続きを読む