毎年のことだけれど、就職活動を控えた学生にはこんなことを話している。
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就職活動が始まる時に、皆さんに言っているのですが、一つ気を付けてほしいのは、いわゆる「就活サイト」との付き合い方です。ああいう「ナビ」は就活に欠かせなくなっていますが、その仕組みや背景を知らないと、マイナスになることもあります。それについて、3点ほど話しておきましょう。
まず、1つめですが「就活のナビサイトはとにかくたくさん使ってもらいたがる」ということです。皆さんは登録すれば、あの便利なサイトを自由に使えます。しかし、あれだけのものをただで見られるのだから、どこかで大きなカネが動いてるはずです。それは、採用する企業がR社やM社に払っているのです。おカネを出す以上、企業はそれがちゃんと機能しているかを気にします。どれだけ自社への資料請求があり、エントリーがあるのか?効果がなければ、「どうして?」となりますから、ナビサイトの会社も楽ではありません。
そうなると、「たくさんエントリーをしてほしい」ということになります。そして知らず知らずのうちに、煽られて焦る。このサイクルに入った学生は、相当苦労することが多いのです。
数をこなすことに気を取られ過ぎて、多忙になり過ぎない。そのためには、就活サイトのメッセージを全部受け止める必要はありません。
2つ目は、そうしたサイトを読んでも「就活のことはわかるが、企業のことはわからない」という話です。企業が就活性のために作ったメッセージは、都合のいいことを並べます。でも、それは当然のことでしょう。
もし、企業のことを知りたいのであれば別の情報を見るべきです。いまは忙しければ、もう少し企業を絞ってからでもいい。図書館にある情報検索システムをつかって、新聞やビジネス雑誌などの記事を読めば、面接にも役立つし、最終的な企業選びの際にも参考にできるでしょう。
3つ目は、先輩や同期の友人同士のリアルなネットワークを大切にするということです。今後ESが集中する頃になるとスマートフォンやパソコンにかかりきりになります。しかし就活の過程においては、仲間との対話がとても大切になる。
就活で成果を上げている学校の特徴の一つに「学生同士の結びつきの強さ」があると思います。それは、情報交換から励ましあい、あるいはお互いの本質を知るうえでは「対話」が何より大事だからです。
就活のナビサイトを十分に利用してほしいのですが、決して溺れないように注意してください。
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というわけで、今年も就職活動が始まる。日本の方法には賛否があるけれど、海外との比較も含めてもっとも冷静に議論されているのが、こちらの一冊だろうか。学生がいま読んでも「だから?」となるかもしれないが、大学関係者や人事担当者にとっては一読の価値があると思う。
日経流通新聞の「ヒット商品番付」というのがあり、毎年「残念賞」というのがある。昨年はSMAPで、その前は五輪エンブレムだったけど、今年は「プレミアムフライデー」になるのだろうか。
今さらだけど、この「プレミアムフライデー」はいま一つ筋がよくないと思う。「一斉に休む」という発想から抜けてないし、金曜日は普通に夜を楽しみたい人も多いのだから、17時に帰してもらえれば、つまりノー残業で十分だろう。
15時に終わっても遠出できるところは限られる。
しかも、次回は3月31日の年度末で、その次は4月28日の連休前。やっと5月末に思い出す頃にはどうなっているんだろう。
役所のつくる制度を、いちいち否定するつもりもないけれど、どうもこれはピンとこない。
休暇の取得が増えないのは、心理の問題だし、制度的には祝日の数も含めて限界だと思うんだ。
それは、「半端な承認欲求」が原因だと思う。
僕は会社員時代から、好きな時に休んでいたので、5月の連休やお盆で苦労したことはない。あまり人の目を気にしないで、休んでいたのだろう。そういえば、5月の連休明けから欧州に行ったこともある。 >> 働き方改革の壁は、「半端な承認欲求」じゃないかな。の続きを読む
大学の入試が続いている。とあるサイトに出ているバナー広告で、僕の出身学部の合格発表が今日であることを知った。いまだに、受験番号は記憶している。
しかし、今だったらどんな学部を受けただろうか?
僕の卒業した学部は法学部政治学科で、法律関連の科目は「法学概論」だけが必修だった。法律の基礎知識については、ミステリー小説で知った。大岡昇平の「事件」というのが結構勉強になったという記憶があるけれど、いま奥付を調べると中学生の時に読んでいた。
政治学といっても結構幅が広くて、僕は「西洋外交史」を専攻したかったのだが、入学したら定年になっていた。なんで入学案内にわざわざ写真が載っていたのかと思うが、事前の下調べといってもその程度だったのだろう。
その後は、アフリカの地域研究に関心を持ったのだけれど1983年の総選挙の開票速報を見ているうちに気が変わった。選挙理論と予測モデルのゼミに行ったのだが、統計の基礎を学んだことはその後の仕事に大きく影響した。
では、いまだったらどんな学部を選ぶだろう。 >> いま文系学部を受けるなら「文学部」がいいと思うワケ。の続きを読む
2月はひどかった。というか、まだ折り返しなでこんなことを言うのも変だけれど、慌ただしくあっという間に過ぎている。
1月は、そうでもなかった。「1月は往く、2月は逃げる」とかいうけれど、そういうことじゃない。仕事のコントロールを、ちょっと間違えたのだ。
第2週の半ばに、大切なミーティングが続き、しかもそれぞれに結構な事前準備がいる。ところがあらかじめ決まっていた舞台や食事の予定もあったために、日中はパソコンの前でかかりきりになった。
そして、気が付いたら10日も過ぎている。
「時間がアッという間に経つ」
これは、大人にとっての大問題だと思う。まあ、いろんな説があるけど僕の場合はだいたい理由がわかってきた。今月のように「仕事をこなす」状況が続くと、あっという間に時は経つ。
詰め込まれた時間は、ゼリー飲料のようにズルズルと流れていく。それでも「当座は何かをやった」ことはたしかで、それはゼリー飲料のように「当座の十分な栄養とカロリーをとれた」のと同じだろう。
でも、それだけだ。そして、「時間がしっかり経つ」のはどういう時か?これは人によって異なると思うけれど、僕の場合は単純で「本をどれだけ読んだか」ということだと思う。
今年の1月は、新しく読んだ本が12冊で小説が8冊。ところが2月は10日までに2冊。
つまり、「本を読んでいる」時間の記憶はアタマの中の新しいところに作られていくような感覚だ。
この「新しい記憶」が充実していると、後から振り返っても「アッという間感」は少ない。このことは少し前から気づいていて、同じ本でも小説の方がより記憶が豊かに感じる。
なんというか「別世界体験」は、時間の流れをゆっくりにしてくれると思うのだ。
だから読書だけじゃなくて「初めての場所」に行った記憶も同じような効果があると思う。
旅行はもちろんだけれど、昼飯を食べたり散歩したりするときも、時間があればいろいろな歩き方をするけど、2月はそれもできなかった。
つくづく感じるのだけれど、「時間が経つのを早く感じる」ようにすることは簡単だと思う。毎日、何かをこなしていればあっという間に1週間が経ち、1年が過ぎて、一生が終わる。僕の場合は、旅と読書がそのスピードを減速させて、あたかも周囲の景色を見せてくれるようだけど、それは人それぞれだろう。
自分なりの「時の減速手段」を持っていないと、時間は加速する。あと、個人的にはツイッターのような「スクロール」は加速を激しくすると感じていて、あまり近寄らない。
それって、何か「読んだ気分」になるだけではないだろうか。
もっとも、本を読んだといっても、本当に自分の身に入っているのかはたしかに怪しい。ちなみに「読んでいない本について堂々と語る方法」という本があって、これは究極の読書体験を語っている。タイトルや見出しは「知ったかぶりのノウハウ本」のようだが、実際に読んでみると、これは本好きがたどり着いたある種の到達点だ。
ただし、山頂を極めるような到達点ではなく、路地裏の袋小路を極めたら知らない別世界があったという感じだ。
本が好き、という方ならぜひ一度をお勧めしたい。文庫本も出ているのに、レビューが単行本に集中しているのでご参照を。
「働き方」の問題は、すべての働く人の問題だ。しかし、今回の事件は「広告業界特有の課題」も浮き彫りにしたと思う。
それは、SNS上などで広告関係者がいろいろな意見を述べたことが大きいだろう。同じことが仮に金融業界で起きたとしても、こうはならなかったと思う。
内容はさまざまだが、メディアや世論が電通を「断罪」することについて「ちょっと待って欲しい」という気持ちのものも目立った。それについては、僕も理解できる部分はある。現状を深く知らないで、「ブラック」と囃し立てる人々を決して賢いとは思わないし、彼らが建設的な議論をしているように感じない。
一方で、「広告にはいろいろそれなりの事情があって」という話も、細かく詰めていくと危うさを感じるところがある。
たとえば、広告会社は“発注される側”で、その内容に無理があれば時間だって大変になる、という声もあった。
それは、実態としてはそういう発注元もあるだろう。しかし、あくまでも「企業対企業」の取引である。しかるべきポジションの人どうしが、なぜ契約をしないのか?SLA(service level agreement)のような発想も必要なのかもしれない。
また、「広告のアイデアは工場の生産とは違う」と言う人もいる。クリエイティブはもちろん、マーケティングのコンセプトメイキングも「よりいいもの」を求めれば、それなりの時間が必要なことはたしかだ。 >> 【働き方再考】クリエイティブには「無限の時間」が必要か?の続きを読む