昨日のエントリーとも関係するのだけれど。
会社を辞めた直後だから、いまから5年ほど前のことである。
リクルート出身で、とある企業のトップを務めている人がこんなことを言っていた。
「電通や博報堂の”営業”は”営業”とは言えないよ」
なぜか、という理由はすぐ後に語られる。
「だって、新人とか配属で『どのクライアントになるか』って、すごい気にしてるじゃない。つまり、その時点で受け身でしょ」
なるほど。
「営業の役割って、新しいクライアントを開拓して、既存のクライアントから新しいビジネスを生み出すことじゃない。無から有を生み出すんだから、そもそも担当なんか”無し”だっていいんだよ」
だから、大手広告会社の営業は彼から見れば”営業”ではないということになる。
これは、少し乱暴に聞こえるかもしれないけれど自分としては納得した面もある。というのも、広告会社の「営業の価値と役割」については結構アタマを悩ましたまま、結論を出せなかったからだ。
>> 応仁の乱と広告営業。の続きを読む
日曜から一泊で修善寺に行っていた。その前にリポートをアップロードしようと思っていたのだけれど、今回は数字の分析があって、それ自体は単純なんだけどいろいろ確認しているうちに出かけてしまった。
とりあえずリポートだけはアップロードして、ブログは放っておいたまま出かけて、気がついたら大学の講義まで時間がある。ちょっと書き留めておこう。
不定期リポートの2本目は『「日本の広告費」をじっくり読む』。
電通発表のこのデータの2009年版は、「ネットが新聞を抜いた」ばかりが話題になってしまったが、これは今後の広告だけではなく、マーケティング、コミュニケーションさらには産業の将来までを考える上で示唆的なデータだ。
手法は単純で、いくつかの数値を2007年からの2年間比較で眺めてみた。ビジネスの構造変化が一層明らかになると思う。
興味のある方はこちらのページからごらんいただければと思う。
前期、つまり2010年3月期の総合広告代理店の決算が、空前の厳しさだったことは今さらでもないだろう。既に、かなり前からのそのような予測になっていた。
しかし、ここへ来て電通が決算を上方修正した。こ想像以上に出稿が戻っているということらしいが、そのあたりをちょっと見てみよう。参照している数字は、電通と博報堂の12月からの単月売り上げ推移の対前年比(両社とも単体)である。
この数字、消費市場の動向を見る上では結構面白いので、別に広告関係以外の人でも使えるところがある。4つのグラフは左上から、両社の総計、テレビ、マーケティング・プロモーション、そしてインタラクティブ(インターネット)である。一部表記は異なるが、この項目で比較してみよう。
結論から言うと、大逆風の悪天のマラソンだったこの1年、最後の35キロ辺りから電通が歯を食いしばって抜け出している風景が見えてくる。
まずトータルだが1月まで両社とも対前年比割れだったが、2月に久しぶりに電通が100%を超えている。そして3月は前年並み。博報堂はほぼ90%弱で推移。
最大の種目であるテレビは両社とも、不透明な感じで動いている。そして、テレビに次ぐ種目である「マーケティング・プロモーション」。ここで大きな動きがあった。この4ヶ月、電通は回復基調に乗っているのに対して、博報堂は80%を切るくらいの推移である。
実はこの種目の業績への売り上げへのインパクトは大きい。
>> この4ヶ月の電博では。の続きを読む
「では、まずセグメントについてお話します。年代としては40代前半、いわゆる “アラフォー世代”。バブルの時代に青春を過ごし、消費意欲は旺盛。いつまでも、今の若さを保ちたいと考え……」
「(……それ、オリエンで言ったままじゃないか……)」
「次にポジショニングです、これは普通の化粧品と異なり”内的な美容”という側面があります。そして、今の肌をさらに元気にするということです。つまり”IN&ON”というポジショニングをとり…」
「(……ていうか、それネーミングじゃない、まんま…)」
「というわけで、クリエイティブです。起用タレントはずばりこの世代に合わせて……」
「(……さてさて、誰を出してくるのかな)」
「まず、伊藤つかさ」
「(ん……懐かしいな。そうかまだ現役か)」
「そして、薬丸秀美」
「(なるほど、そうかヤックンと結婚したんだったな)」
「さらに、荻野目洋子」
「(おおそう来たか。六本木純情派!)」
「そして、河合その子!」
「(来た~!12番!)」
「というわけで、いかがでしょうか」
「いいですね~!それにしても懐かしい」
「でしょ、ありましたよね雑誌とかも!」
「GOROとか」
「BUMB!」
「DUNK!」
「デラべっぴん!」
「……??ち、ちが~う!!」
なんてことはあるわけないか。