図らずも3日続けての観劇三昧。しかも、和風の日々だった。
11日は国立劇場で「東海道四谷怪談」。幸四郎と染五郎を中心にエンタテインメントをたっぷりと楽しませてくれる。怪談をこの時期に?という感じもあるだろうが、四谷怪談は忠臣蔵ドラマの「スピンオフ」のような面もある。討ち入りに参加する義士ではなく、浪人生活の中でアウトローに堕ちていったものの、ドロドロとした人間の業を描いている。
今回の演出は、最後に討ち入りを配して師走にふさわしい舞台だった。
いわゆる「お岩さん」の話で、子どもの頃から顔が腫れるのを「お岩さんみたい」とか言っているのを耳にしてきたわけだが、きちんと見るのは今回が初めて。
歌舞伎はたまにしか見ないのだけど、こういう名作は掛け値なしにおもしろい。
12日は国立能楽堂の普及公演。能は「殺生石」で、狂言は「鶏聟」。13日は同じく国立能楽堂で、金春流円満井会の特別公演で「道成寺」を中心とした演目で、この公演は1人で行った。
考えてみると9日に落語の「白酒ひとり」も聞いているので、一週間に4回、しかも全部国立の施設だった。まあ、税の回収方法としてはありかもしれない。歌舞伎も能も主催公演は価格も手ごろなのだ。新国立劇場も含めてどこもゆとりがある設計だし、国立劇場の駐車場は都心なのに一回500円と鷹揚だ。 >> 歌舞伎・能・能、和風の週末。の続きを読む
第47回 白酒ひとり
2015年 12月9日 国立演芸場
「金明竹」 桃月庵はまぐり
「親子酒」「火焔太鼓」(中入り)「富久」 桃月庵白酒
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「白酒ひとり」という独演会に通うようになって、5年あまり経つ。説教臭くなく、理屈抜きに楽しめてレパートリーも広い。東京の落語家の中では最もよく聞いていると思う。
この会は、ちょっと珍しい話のネタおろしも多いのだが、今夜は名作を三席。
「親子酒」は、終盤の親子の酔いっぷりが相当派手。白酒は心持ち赤ら顔なので、本当に酔っているように見える。
「火焔太鼓」は幾度となく聞いたが、テンポがよく、独特のくすぐりもある。
道具屋と、侍のやり取りで
「いくらなら、手放す?」
「イクラ、なめろう、手羽先?」とか、その後「売ると申すか?」尋ねられ
「売る~売る~るぅ~るぅ~るぅ~」
「キタキツネを呼ぶな!」 >> 理屈抜きの笑い、桃月庵白酒。~第47回「白酒ひとり」の続きを読む
読売日本交響楽団 第553回 定期演奏会
指揮=オスモ・ヴァンスカ
2015年12月4日 サントリーホール
シベリウス:交響曲 第5番 変ホ長調 作品82
シベリウス:交響曲 第6番 ニ短調 作品104
シベリウス:交響曲 第7番 ハ長調 作品105
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この夜演奏された曲が作られた100年ほど前に、日本の東京で、地元のオケがこんなに素晴らしい演奏をするなんて誰も想像していなかったと思う。
ヴァンスカが曲を隅々まで知り尽くし、一音一音をとても大切にしていることがヒシヒシと伝わってきたが、オーケストラの能力、ことに集中力が高いからそれが実感できた。
日本のオケも、「どうだ!」と迫る大曲、たとえばマーラーの「復活」などだと、どのオケもそれなりの盛り上がりにに導いてくれるのだけど、この日のようなプログラムで、しみじみと導いてくれることは稀だ。
そういう意味で、この日の読響は在京オーケストラの演奏会の水準の中でも、一頭地を抜いている感じだった。
この日に聴いてあらためて思ったのだけど、シベリウスの曲は演奏会で体験することで「ああ、そう書いているのか」と伝わってくることも多い。シベリウスはオーケストラの鳴り方が、決して派手ではなく、個別のメロディやリズムよりも、全体の「響き」で聴かせるところがあるからだろう。 >> クッキリと、そして幽玄。ヴァンスカ=読響のシベリウス。の続きを読む
というわけで、amazonのfireTVから派生して、ベルリン・フィルのデジタルコンサートホールにはまりかけて、とりあえず7日間メンバーになった翌日、いきなり不具合が起きた。
アプリケーションが立ち上がらないのだ。
メッセージは「原因不明のエラーです」とか、エラーコードとともに日本語ででるだけ。
そして、ウェブサイトに行くと問い合わせも、ヘルプもある。よし!と思ったらヘルプは英語とドイツ語。しかも、エラーコードなどで検索してもわからず。
「お問い合わせ」という日本語をクリックすると、ポップアップで出てきたのは” How can we help you?”という英語。つまり、ここから先は英語で問い合わせるしかない。ちょうど15時過ぎで向こうでは7時くらいだった。
「アプリ動かんのだけど、助けて」というような内容で、エラーコードの番号と一緒にメールして、あまり期待せずにいたら結構すぐに返信が来た。どうやらベルリンのスタッフが、出社してすぐチェックしてくれたんだろうか。現地時間で10時くらい。開けてみると、Baderさんという人からのメールだ。
遠くからの返信なので、妙にうれしい。そして、文面がテキパキしている。
「報告してくれた件、大変申し訳ない」という感じで始まるのは、まあ普通だが
“Our IT department is working with high priority on this, we will try to find a solution as soon as possible.”
「うちのITチームが最優先でやってて、できるだけ早く解決策探すよう頑張るぜ!」
って感じなのかな。 >> ベルリン・フィルはデジタルもすごい、とアプリがダウンしてつくづく思った。の続きを読む
そんなにテレビを見るわけでもなく、動画配信にも興味がなかったのだが、ついついAmazon fireTVを発売日に予約してしまった。書籍を中心に相当なヘビーユーザーで、これからもプライム会員を続ける可能性が高いので、なんかよさそうな気がしたのだ。
stickにしようかとも思ったんだが、そのうちスピーカー替えるかも、とか思ったりして、こちらを選んだ。
接続も簡単で、使い勝手もいい。音声認識がスムーズなので、思いついた映画タイトルを口にすると、ポンと画面に表れて数回ボタンを押すとスタートするのは、相当うれしい。
とはいえ、僕はそんな映画好きではない。最近は年に一度くらいしか映画館にいかない。ただ、以前はよく見ていて、入社した頃はクリエイティブの勉強しなくてはと、週に一度は映画館に行って、片っ端からビデオを見てた頃もあった。
その頃の映画が、プライム・ビデオには結構あって、これがトントンと出てくるのは気持ちい。考えてみると、このamazonのサービスは、僕くらいの歳の「映画のライトユーザー」にぴったりなのかもしれない。
一方で、予想外にはまってしまったがベルリン・フィルハーモニーのデジタル配信サービス。「ベルリン・フィルデジタルコンサートホール」だ。2009年にはサービスがスタートされていて、日本語サイトも早々にできたというけれど、何となく遠ざけていた。デスクトップPCは仕事部屋だし、わざわざノートにスピーカーつけて音楽聞こうと思わなかったのだ。 >> amazon fireTVから、ベルリン・フィルのデジタルに走ってしまった。の続きを読む