とりあえず収まった話なのか、まだ続きがあるのかはわからないけれども、フジテレビを巡る一連の騒動で気になることがあった。局やフジサンケイグループの報道姿勢を見る限り、取り立てて「反日」とは思わないが、いろいろと突っ込まれるような「隙」があったようにも思う。
韓国コンテンツが増加したことはたしかかもしれないが、これは同局に限ったことでもない。ただし、フジテレビは「焦り」のようなものがあるようにも思う。僕自身、地上波は殆ど見ないのだけれど、「何となく」勢いがないような感じもするのだ。
あまり放送局の経営データなどは読まないのだけれど、大学の後期の講義の準備も兼ねながら、テレビ局のデータを眺めてみようと思ったのである。
ところが、いまはテレビ各局が持ち株会社になっていて決算短信などを見ても、経営の実態が分かりにくい。そこで、公開されている決算説明会の資料を見て、テレビ「局」としての経営状況を見た方が実態はよりわかる。
そこで、調べていくうちに、「longlowの日記」というブログがテレビ局の決算などについてこまめにまとめられていることが分かった。そこで、ご本人にメールで連絡して承諾をいただいた上で今回の参考にさせていただいた。結局、各局の資料を再度確認したのだけれども、この一覧がないと、結構骨の折れる作業になったと思う。大変感謝したい。
で、今回の「騒動」の中で比較的冷静な分析として「テレビ局が経費削減のために韓国コンテンツを買った」という話がよく聞かれた。たしかに、それはそうだと思うのだが、先にも書いたようにフジテレビ以外の局も結構厳しいはずである。
それでは、フジテレビが「特に厳しい」ということはあるのだろうか。
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かなり前に書こうと思って、そのままになっていたんだけれど、「まいばすけっと」を見ると、何とも感慨深い気分になる。
いや、店がどうとか品揃えがどうとかじゃなくて、あのロゴだ。
最近、自宅近くにできた。イオンの都市型小型スーパーということは中に入ればすぐわかる。
イオングループの一業態なのだけれど、なんだろう、この不思議な感覚は。
多分ロゴなんだと思う。でも、こうやってまいばすけっとって内蔵フォントのロゴにしてみても、あまり変わらない。というか既存のフォントなんだろうか。
脇にちょっと小洒落た看板があるけれど、その絵だって何かのテンプレートに見えないこともない。
かつて、と改めて大げさに言うけれど、ネーミングとロゴ、シンボルはブランドの核だった。というか、広告代理店やデザイナーにとってはそういう定義であった。
「ブランドの核なのだから、お金と時間をかけましょう」というロジックが大切だったからである。
個人的にはそういう仕事を世紀の変り目にいくつ関わってきたけれど、この「まいばすけっと」ってどうやってロゴ決めたんだろうか。企画書にそういうフォント作ったまま、看板になったのかな。
いや、うっかりした。
気が付いたら2カ月ばかり、こちらを放っておいてしまった。
いや、仕事はたしかに忙しいシーズンなのだけど忙殺というほどではなく、ただそれ以外のことでちょっといろいろだったんだけど。まあその間にも近所で子猫が4頭生まれたのを毎朝チェックするくらいの余裕はあったわけで。
気がついたら、最近は久しぶりにゲームをやっている。Steins;Gate「シュタインズ・ゲート」というアドベンチャーで、久しぶりに秋葉原を歩いていたら何だか気になったので、買ってみた。
U局などでアニメもスタートしていているんだけど、ゲーム画面の殆どは女の子が画面にドン!と出ているので、端から見ると恋愛シミュレーションに見えるかもしれない。(というかそういう要素もある)端末はPSPなんだけど、何となく電車でプレイするのは微妙に気が引けていたりして。
で、ゲームは終わり次第感想でも書こうかと思うんだけど、この主人公はいわゆる厨二病(中二病)という設定になっている。厨二病とは何か、というのはここで定義しないけれど、前首相のこんな発言などはある意味わかりやすいかもしれない。
ただ、厨二病というのはある種笑えない所があって、たとえばマーケティングの世界でも結構この症状の人が多いようにも思うのだ。
厨二病と言ってもいろんな症状があるけれど、このゲームでも滲み出ているようにこんな特徴があると思う。
今日は、まずCMを見てもらう。まず、60秒のものを2本だ。
【サントリーの企業広告を視聴。「上を向いて歩こう」と「見上げてご覧夜の星を」アクセスしたホームページはこちら】
これは、かなり話題にもなったし、オンエアもあったようだから見た人も多いだろう。震災後に、震災を意識して制作したCMとしては最も注目されたクリエイティブだし、仮に震災と関係なく視聴したとしても、大変優れたものだと思う。
さて、震災後に作られたCMをもう1つ見てみよう。
【トヨタの企業広告を視聴。「トヨタからのお知らせ」より「地震発生時の運転」「エコドライブのお願い」「停電時の運転」などを視聴。アクセスしたホームページはこちら】
トヨタのCMもまた震災後に作られたものだ。これはサントリーのものに比べると、話題性は少ないかもしれない。ただし、震災後の余震、停電、あるいは燃料不足という事態に対して的確な情報提供を試みている。
今日は、まず「メディアとは何だろう?」ということを考えたい。その際に、この2社のCMはとてもいいヒントになる。2社とも震災の後に、メディアのことを考えていたということがわかる。
メディアというのは、訳せば「媒体」ということなんだろうけれど、まずは「間」であると覚えておいてほしい。辞書を見ればmediumの複数形だということがわかる。
「何か」と「何か」の間である。だから、その「何か」が二つ以上なければメディアは成立しない。
マーケティングにおいて、その「何か」は企業であり、消費者という構図が基本だ。もちろん、消費者同士にも「間」はあり、メディアはあるんだけれど、それについては追って話をしよう。
まず、講義に先立って一言。
先の震災で皆さんも大変苦労されたと思うし、関係者の方の中にも被災された方がいると思います。改めてお見舞い申し上げます。
また、こうした環境にもかかわらず予定通りに講義がスタートできたことに感謝したいと思います。
とはいえ、現在においてもまた平時とは言い難いことはたしかです。皆さんの先輩は、卒業式ができませんでした。そして、皆さんの後輩は入学式ができなかった。今回の震災の影響がきわめて多方面に及んだ例のないものだということが感じられると思います。
間違いない、戦後最大の「災い」であり、それは天災でもあり、また人災でもある。本日、福島原発の事故が「レベル7」であると発表されたが、これは一部の人々の責任に帰して住む問題ではないということです。
すべての日本人が、いま生活と社会のあり方、そして自然との向き合い方について考え直してる。
こういう中で、昨年と同じ講義ノートを読むだけであれば、ハッキリ言って大学の講義と言えないと思います。したがって、今年の講義は「いま考えなくてはならないこと」をやります。
その上で、3つのことを覚えておいてください。
1つ目は、まず今までのマーケティングのセオリーやスキルはそのままでは通用しないということです。