元巨人の野球選手が賭博がらみの疑いで逮捕された。

プロ野球は、今世紀に入ってからの合併騒動あたりから球団経営も変わってきたが、まだどこか変わりきれないところがある。プロ野球は他を圧した興隆期があった。その頃の感覚が抜けてないのは、選手や経営者よりもメディアなんじゃないか。それは独特の言葉にも表れてくる。

2月のキャンプインを「球春」というのは、季語のようだけど、「球界=野球界」というのと同じで、球技はたくさんあっても「球」といえば野球だった。卓球をする若者を球児とは呼ばない。

だから、野球の外にも、そういう言葉が広がっていく。政治家や経営者が任期延長することを「続投」と普通に表現したり、場合によっては「ワンポイントリリーフ」などということもある。 >> 21世紀プロ野球にパラサイトする昭和メディア。の続きを読む



というわけで、まずはCMを見てもらいましょう。

サントリーBOSSのCM【プレミアム対談編】 タモリがジョーンズと“いいとも風”)

長寿番組だった「笑っていいとも!」の設定で、タモリが「宇宙人」をゲストに迎える設定です。

では、もう1つ。今度はペプシの「桃太郎」です

ペプシネックス ゼロ『桃太郎「Episode.ZERO」』篇 小栗旬 )

さて、タモリの番組に宇宙人は出てこないし、そもそもトミー・リー・ジョーンズは米国の俳優です。小栗旬は桃太郎じゃないし、そもそも桃太郎はいないし、ペプシとは関係ありません。

嘘と言えばウソです。ただし、こういうCMで「嘘つくな」とクレームが入ってはいないでしょう。CMで効能を偽ったりすれば問題になるし、ケースによっては法令に触れます。その一方で、あらためて考えると、私たちはメディアの中の「嘘」であることをたくさん知っているし、許容してます。でも、子どもの頃は、その辺が曖昧だったはずです。

3歳の頃に男子だったら「戦隊もの」の番組見てたでしょ?女子は?(セーラームーン、という答え)で、男子は戦隊の一員になれると思ってた?そんなことはない? >> 【講義覚書】岡崎体育「Music video」を理屈っぽく解説すると。の続きを読む



昨日(4/24)のNHKスペシャルは「若冲」だった。

上野の展覧会も期間が短く、いつ行けば比較的空いているのかと算段していたくらいなので、この番組が混雑に拍車をかけるのだろうなぁと思いながら見始めたら妙な違和感がある。

ナレーションだ。女優の小松菜奈を起用しているが、どうしても気になる。先に言っておくと、彼女が飛びぬけて下手というわけでもない。ちょっと突き放した覚束ない感じだけれど「ドキュメント72時間」などだったらテーマによっては映えると思う。要するにキャスティングのミスだ。そういう意味では、ちょっと気の毒である。

画家の未知の世界に迫ろうとするあまりか、語りには妙な切迫感がある一方で、時折語尾に不要なアクセントがつく。「超高精細」ということばが「チョウ・高精細」のように聞こえてしまう。

イチゴのソースをパンケーキにかければおいしいかもしれないが、炊き立ての上質な白米にかければどうなるか。殆どの人が、「ちょっと待てよ」と思うだろう。

この場合、ソースに罪はない。調理人が無能だという話になる。 >> Nスぺ「若冲」のナレーションは、”白米にイチゴソース”だった。の続きを読む



新しい潮流が生まれようとする「○○元年」という言葉が飛び交うが、この「元年」は結構曲者で少なくても一般的な暦の「1年間」を意味するとは限らないことはもう誰もが知っているかもしれない。

まあ、電子書籍についてはkindleのサービス開始が元年だったと思うが、ネットの「動画」については今年が元年となる可能性が高いように思う。

個人的には、視聴覚が1つの情報元に縛られるのは嫌いなので、ネットで見るのは30秒以内、長くて1分の猫動画くらいだ。自宅のテレビで映画などを見ることも少ない。

で、最近思ったんだけど、聴覚と視覚が分離しながら情報を認識している機会が増えているような気がするのだ。

家の外ではipd miniを使っているが音声は消していて、イヤホンやヘッドホンは結構前からなぜか耳が受け付けないので使っていない。すべて無音だ。車内広告の動画も無音なので、殆ど視覚情報だけになる。

スマートフォンを使っている人をみても、イヤホンを常時付けている人ばかりではない、というかつけてない人の方が多いように感じる。この調査によれば「持ち歩いてる」人と、そうでない人が半々だ。しかも10代では7割以上だが、20代から急減する。 >> スマホ動画で「目と耳とデカップリング」が進む。の続きを読む



自宅近くにコメダ珈琲がオープンして、2年ほどになるが相当賑わっている。出店も増加しているようだが「フルサービス」が受けたとか、まあいろんな分析がされている。

そんな中で、ふと思い出したのが10年以上前に会社の先輩と話していたことだ。僕が会社を辞める直前だから、2004年くらいだろう。

とても才覚のあるマーケティングのプロフェッショナルの方だが、「実際に街を歩く/売り場を見る」ことの重要性を指摘し続けていた。

ネット上では「売れないものは見えにくい」と僕が話したときにこんなことを言われた。

「知らない街に行ったり、都内でもちょっと時間つぶすときとかは、“流行ってなさそうな店”に行くんだよな。」

つまり個人経営の小さな喫茶店で、決してチェーン店にはいかないという。僕も同じように思っていた。その方が、面白みもあるし、意外においしいものがあったりもする。

ただ、その先輩の洞察は深かった。 >> コメダの隆盛を10年前に見抜いていた先輩。の続きを読む