浅田真央の引退のニュースには驚いた。いや、引退したという事実ではない。「まあ、そうだろうな」という感じだ。驚いたのは、ニュース量の多さだ。
発表の翌日、NHKニュースは朝昼夜とトップだった。別に何か新しいことがあるわけでもなく、いろいろな人の声を伝えている。しかも泣き始める人もいるので、失礼だけど、これはまるで逝去のニュースのようだと思った。
もちろん、民放も引退関連一色だったようだ。
おそらく、テレビ局にとっては「重要」だったのだろう。そして、その重要さというのは地上波のお得意様の関心を引くかどうかということになる。そして、お得意様はお年寄りだ。
以前からわかっていたことだけど、テレビの高齢者シフトはここに来て一段と進んで、しかもニュースが相当に偏るようになった。最近だと、「小池・森友・真央」でしばらく回るんじゃないだろうか。
僕は自宅で仕事をしているし、昼間の時間は相当に自由に動いている。家で昼飯を作って食べることもあるし、スポーツジムへ行くこともある。ジムにいるのは、高齢者ばかりで、ロッカールームの会話を聞いていると面白い。
「あいつも頑張ってる」というから誰かと思ったら、「小池の娘が」とか言ってた。まあそれなりの歳の仲居さんに「お姉さん」と言うこともあるんだから、都知事を娘と言ってもいいだろう。多分昨年は、舛添氏の買い物内容を熟知していたに違いない。
もちろん籠池一家は人気者だ。浅田真央に至っては言うまでもない。
そしてエアロバイクに座って、とりあえずモニターをつける。昼の番組は、ロッカールームの話題そのものだ。興味もないので音を消したままにしておいて、とりあえずkindleをオンにする。だいたいそんな感じだ。 >> 「小池・森友・真央」でテレビは回るけど。の続きを読む
あの学園をめぐる騒動で、教育勅語が話題になっている。
そういう学校に身内を通わせる気には全くならないけれど、自分の周囲を見ているとメディアや識者が「けしからん!」というほどに、みんなが怒っている感じでもない。
何でかなあと思ったんだけど、あの学園をめぐる話は時おりテレビでやってる動物ドキュメンタリーの「珍獣特集」を見ている気分に近い。珍獣を叱っても、しょせん珍獣だ。
一国の首相や家族の周りに珍獣が群がっているという構図はムズムズするし、嫌な感じはあるけれど、国会がずっと珍獣に振り回されているのも結構妙な感じがする。
あと、もう一つあるのが「所詮学校なんてそんなものだろ」という気分じゃないだろうか。教育勅語は確かにどうかとおもうけど、僕の小学校の頃は、先生の言ってることは相当偏っていた。まあ時代的には基本左なので「聞け万国の労働者」とか「インターナショナル」を歌わせていた先生もいた。
ただ、それに感化されるかというと子どもはそのあたりを見切っていたのだろう。そういう教育者が多かったとは言え、左派勢力は多数派にならなかった。
たぶん、「あの先生、また始まったよ」くらいの感じだったのだろう。
ただ、今にして思うと僕が小6の時に担任はすごかった。右とか左とかではなく、とある新興宗教の熱心な信者だったのだ。しかも、その宗教団体というのはいまや国政の一翼を担うあの政党の母体である、あの会だ。 >> 教育勅語どころか、僕が小6の時に唱和してたのはあの人の詩だよ。の続きを読む
3月10日の日経流通新聞は東北観光の特集だった。震災から6年を前にしての企画だが、インバウンドの急増とは無縁で日本人客にも敬遠されがちで「観光産業の復興は鈍い」と書かれている。
特に、福島県は厳しいようだ。
その中に外国人観光客を呼び込んだ成功例として「磐梯山温泉ホテル」のケースが取り上げられている。「外国人が少ない」ことを逆手にとったということで、経営する星野リゾートの星野佳路社長のインタビューが掲載されていた。
その中で「福島の件名変更が観光には一番プラスに働くと思っています」という提案をしていた。「海外で営業して魅力を語っても『フクシマ』と名前を出した途端に拒否反応が出ます」と、実体験から言っているのだろう。
さて、この提案をどう思うか。もちろん言った本人も「色々なセンチメンタルな反論があるのも分かりますが、実際に海外に営業に行って反応を聞いてみてほしい」と言う。みんなが諸手を挙げて賛成するとは本人も思っていないのだろう。
この「県名変更」だが、福島原発は「県名」を冠した発電所だ。原子力発電だと、他には「島根」だけで、このことが「福島丸ごと」のイメージダウンになった一因だ。そして、星野氏の発想にはある種の合理性があることは確かだと思う。
>> 「福島は県名変更を」と星野佳路は言うけれど。の続きを読む
そして、僕はクロネコのヘビーユーザーでもある。自宅で仕事をしているので、アマゾンをはじめとした通販はいろいろと助かる。
つまり、黒猫の世話をしつつ、クロネコの世話になっている。それを知っているのか、クロネコの持ってきた箱に、黒猫は入り込む。いや、それはどこの猫でもそうなのか。
いまヤマト運輸をめぐるニュースが連日のように飛び交っている。SNSを見ても、周りの空気もヤマトに同情的だ。
「値上げも27年ぶりならやむを得ないだろう」
「少し不便になっても構わない」
「アマゾンがやり過ぎで、そこまで早くなくてもいいよ」
そんな感じだ。
このあたり、総量抑制から、未払い残業代の話、さらに値上げに至る一連の情報コントロールの可能性については、いろいろな見方がある。どこまで意図的かはわからないが、なるほどなと思うところはある。 >> 日本人が「ヤマトびいき」になるのは現場の力だと思う。の続きを読む
インターネットの時代になって、いろんな人が専門家のようなことを言うようになった。ただし、どんな分野でもそうなるわけじゃなくて、いきなり「ステンレスの冶金」について語る人が増えたわけじゃない。そもそも、冶金を「ちきん」と読んでしまう人だっているだろう。
そんな中で「マーケティング」については、語る人が増えた。そして、その際にはいろんな数字が引用される。ところが、この数字というのが曲者だ。
この本は、そういう「マーケティングの谷間」に落ちている「生半可な常識」を鮮やかに斬っていく。
たとえば、典型的な「若者の○○離れ」なんかは、いい例だろう。ビールや海外旅行、クルマ、そして果物などの例を見ていくと、意外な背景が見えてくる。
「今の若者は」と下手に言うと、「そんなのギリシャ時代から」とか反論されちゃうので、一生懸命データを出して来たら、それがますます変だったというような話だ。
「保育園建設に反対してるのは誰か」などは、データで見ると納得するし、イメージが先行していることがわかる。また「飲酒やめると早死にするって本当?」というのは、典型的なサンプルの読み方違いの可能性がある。いわゆる「ドクターストップ」を受けている人が、相当いるかもしれない。 >> 半端なマーケティングもどきが一番やばい。「だから数字にダマされる」の続きを読む