東京都のコロナウィルス感染者数の数字を見ていて、ふと気になることがあったので書いておこうかと思います。
15日に2000人超えてたのが段々低下してきたのはいいのですが、なんか高齢者の感染者が減っていない気がして、東京都の発表を遡ってみました。
左上のグラフですが、全体(棒水色:左軸)は低下しているけれど、80代(折れ線緑:右軸)と90代(折れ線ピンク)は下がっていません。80代などはむしろ上がっています。
そうなると、右下のように全感染者に対する割合を見ると、直近で80代が9%くらいにあがり、90代が3%くらいになります。全都民おける、80代/90代の割合を見ると、それぞれ約5.8%/1.3%ですから、それよりも高いのです。
高齢者が重症化しやすいので、家庭内感染には気をつけましょう、という話がありました。だからこそ飲食店などを規制して若い世代の行動を変えようとしていたのだと理解してました。
しかし、全体が減少しているのに80代以上が高止まりしているのは、なぜでしょうか?ここからは、仮説になります。
- 80代以上が多い場所で感染が広がり続けている
と考える以外に、どうも見当がつかないのです。
1つ考えられるのは、病院や高齢者施設ではないでしょうか。だとすれば、日本財団がおこなうように、そうした施設の従業員の無料PCR検査はとても有効だと思います。
そうなると、こんなことを知りたくなります
- 高齢者の多いところでの感染の実態はどうなっているのか
- その結果として重症者がどれだけ増えて、医療現場に影響を及ぼしているのか
というのも、状況によっては「飲食店を一律規制する」という施策を続けても、重症者の減少には直結しない可能性もあると思うからです。実際に入院患者数の減少に比べて、重症者数は高止まりしてます。
飲食店の規制は「総感染者数減少」に対しては、たしかに効果があるように見えます。しかし、高齢者の感染や重症者の増加を防ぐには別の手立てがあるのではないでしょうか。
飲食店やイベントを規制することの補償で国民の負担は増えます。「何を防ぐのか」を言う目的をハッキリさせて手を打たないと、見当はずれなところに資源が使われることにもなります。
春のように特定の施設や病院に注目が集まる状況は良くないと思いますが、全体の数値動向を明らかにして、オープンな議論をするべきではないでしょうか。
これは限られた数値情報からの仮説ですので、もちろん実態は違うかもしれませんが、そうした取材や報道があまり見られないので書いておきました。