これほど、4月1日らしくない4月1日もないように思う。僕もいろいろな仕事がリモートになり、企業から依頼されている新入社員のトレーニングも自宅からオンラインでおこなうことになった。
そんなことで、新人としての初日から自宅待機になる学生たちと話した時に言ったことを書き留めておこうと思う。
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まず、これからの期間はとても貴重な「備えるための時間」だと思う。単に「待機」というだけでなく会社からいろいろな課題も出るだろうしオンライン講義もあるだろうけど、それ以上に大切なのは、いつか仕事に参加する日に備えて「自分で準備すること」だと思う。
あるスポーツライターに聞いたのだけれど、どんな優れたアスリートでも「自分のチカラではどうしようもできない」時があって、それはケガなどをしてプレーできない時期だ。
そして、そのような時にどうするかで一流とそれ以外の岐路があるらしい。
普通の選手は、静養してリハビリテーションに励む。これは当たり前のことだろう。
二流の選手は不貞腐れて酒を飲んだりする。ケガの時に一番してはいけないことだけど、昔は有名なプロ選手でもそういう人がいて、結局はキャリアを棒に振ってしまった人もいたという。
そして、一流の選手は治すだけでなく、いつかその時に備えて自分で考えて行動するという。下半身を痛めたら、体幹を鍛える。プレイできない時こそ、時間を活かしてできるトレーニングをする。あるいは、何かを読んで学ぶ。
今年の新入社員にとっても「自分のチカラではどうしようもできない」という意味では、まったく同じだ。
だとすれば、いろいろな本を読んだり、オンラインで自ら語学などを学ぶなど、いろいろと自分を磨くために時間を費やすのものいいし、食生活を見直して料理でもして体調を整えることを学ぶのもいいと思う。できる限りで、体を動かすこともできるはずだし。夜も週末も自宅にいる機会が多いから、これをチャンスにできるはずじゃないかな。
自分ではどうしようもできない、ってことはこれからいくらでもあるだろう。たとえば、望まない配属先になってしまったとか。
でも、そういう時も「いつか」に備えてきた人は、かならずキャリアを拓いている。
だから、この異例の4月を機会だと思って、「自ら備える」貴重な時間として活用したらいいんじゃないかな。実は今年の新人は、「いままでにないチャンスをもらってる」と捉えてみれば、何かが変わるはずだ。
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というわけで、いきなり不安の真っただ中にいる新入社員の人に届けることができればと思い、書いてみた。
でも、考えてみれば社会人の中で「最も長い未来」があるんだから、この大変な期間も相対的には一番短いんだしね。
健闘を祈ります。