そういえば、ちょっと前に「デザイン思考」が話題になった頃、広告代理店の社員の一部には「何を今さら」という感じがあって、そういう名前ではないけれど、フツーにそういう思考をしていたという感覚はたしかにわかる。
ただし広告づくりの範疇を超えて、その思考でビジネスのアップデートできたのか?というと少々「ビミョー」な感じもした。
が、その話はさておいて、そうした思考法の「次の段階」を上手にまとめたなあと思ったのが『直感と論理をつなぐ思考法』だ。この本では、「デザイン思考の平原」にはクリエータなどの“先住民”がいるという表現で、「ビジョン思考」へと先導を試みている。
で、この本の批評をするのが目的ではないんだけど、おもしろいなと思ったことが「妄想」を思考の起点にしていることだった。創造じゃなくて、妄想。
でも、その妄想が許されない企業が本当に多い。これだけ日本の伝統的企業の問題点が指摘されていても、その根本は変わっていない。数多くの改革者と言われる経営者も登場して、もちろん変革は進んでいるけれど、「やっぱダメだったか」ということも、最近になってまた実感してたりする。
そもそもこうして迂闊に「やっぽり」を連発してしまう時点で、どこか自分まで後ろ向きになってしまうことに気づくのだ。
じゃあ、どうすればいいのか?トップの強力なリーダーシップはたしかにプラスに働く。別に妄想という言葉を使わなくても、自由な思考を促す経営者はたくさんいて、ところがそこには思わぬ障壁がある。 >> 健全な妄想を許さない日本企業の「スペシャリスト」について。の続きを読む