「2018年読んだ本」を先月後半に月別に書いていたのだけれど、6月で力尽きたまま年末でダラダラしたこともあり、実質仕事始めの明日までにとりあえず後半分をまとめておこうと思った。
何といっても、半年分なので厳選して紹介。
キャシー・オニール『あなたを支配し、社会を破壊する、AI・ビッグデータの罠』(インターシフト)は、ちょっとおどろおどろしい邦題で損してるかもしれまいけど、原題のキーになる概念はMath Destructionで、「大量破壊兵器」のmassをmathにかけている。つまり、「数学的な破壊」ということだ。重要なのは「フィードバックループ」という概念で、たとえば「犯罪多発地域」というデータで警戒を強化すると、そのエリアの人は些細なことでも検挙されて……のようなループのこと。これは、広い分野に当てはまる。とても大切な本だと思うし、強くお薦めしたい
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夏に読んだミステリーはチューダー『白墨人形』(文藝春秋)に、若竹七海『錆びた滑車』(文春文庫)で、後者は個人的に大ファンの女探偵・葉村晶シリーズの最新刊で、相変わらずの構成力と味わいだった。前者は年末のベスト10などであまり高い評価を受けていないのが謎。上位の中にも、「なんだこれ」が多いわけでこの辺りはまあよくあるんだろうけど。 >> 【2018年読んだ本から/後半まとめて】改めて思い起こす『うつ病九段』の深さ。の続きを読む