先週の木曜にアレクサに挨拶したら「今日はもっとも卒業式が多い日のようです」とか言って「仰げば尊し」を歌いたがっているので、聞いてあげた。卒業式にまつわる音楽も、相当多様化していて、アレクサに「旅立ちの日に」をリクエストしたら川嶋あいだった。
そうかあの合唱曲をSMAPがNTTのCMで歌ったのがもう10年以上前で、十分に古典なんだよな。
あの曲を聴いて思ったのは、「卒業式のツボ」をついてるなあということだった。メロディーラインから、ハーモニーに至るまで「卒業シーズンの曲」の王道だ。クラシックでいえば、パッヘルベルのカノンから、ブルックナーの5番のアダージョまで「卒業式っぽい」メロディーはたくさんあるわけで、でも別に作曲家は日本の卒業式なんか知るわけじゃない。
でも、日本人の心の中に「卒業式っぽいメロディー」はちゃんと存在していると思う。
基本的は長調だと思うけど、「明るい/悲しい」というような単純なものじゃないし、「おめでとう」と言われるからといって、おめでたい音楽ではない。
あえて言葉にすると「切なさ」とでもいうんだろうか。式で歌われる合唱曲から、卒業をテーマにしたらポピュラーミュージックまで、その辺りが「卒業シーズンの曲」の共通点なんだと思う。
今年も3月に入ってから、ラジオなどで「卒業シーズンの曲」を聴く機会が多かった。考えてみると、この「卒業シーズンの気分」というのは、ちょっと大げさだけど戦後の日本が生んだ「誰もが共有できる文化」の最たるもんじゃないだろうか。 >> 卒業シーズンの曲って、日本人の共通記憶だよなぁ。の続きを読む