昨日、会社を辞めるか迷っていた頃の思い出を書いた。
結局僕は辞めたけれど、それは「深い谷を飛び越える」ような感覚だった。マリオだったらやり直しはできるけれど現実は違うわけで、だからこそ踏み切れない人は多い。
ことに大企業に長く勤めるほど、谷を越えることは難しいだろう。
ただし、これからは多くの人がこの問題に直面すると思う。最近のメガバンクの方針が象徴的だけれど、「業績に関係なく人員削減」という流れが生まれてくるように思うのだ。
「人手不足だから売り手市場」という考えは甘いかもしれない。「今後も人手不足が続くなら、人手のかからないモデルにしよう」と考えるのが企業経営のロジックだ。
そこにAIなどの技術革新が加わって来る。
だから、大手企業に勤めている人ほど「いつか飛び出す」ためのシミュレーションをしておいた方がいいだろう。
では、出る人と出られない人にはどんな違いがあるのか?これは能力だけの問題だとは思わない。
で、敢えて言えば「どんな記憶に頼っているか」という違いじゃないかと思う。
僕自身を振り返ると、「想定外のことがあっても、どうにかなるだろう」と思ったから辞めた。それは、過去の人生で「どうにかなった」記憶の方が強いからだ。
ところが、多くの人は「頑張ったから、うまくいった」という記憶を頼りにしているようで、こういう人は会社を辞めにくいんじゃないか。
「どうにかなった記憶」の人だって、多分努力をしている。僕もそんな気がするが、人に説明しようとすると思い出せない。ただ、「運が良かった」話は思い出す。
「頑張った記憶」の人は、典型的には受験やらスポーツの記憶を頼りにする。仕事を始めても、同じような記憶を重ねていくようだ。そして「頑張って褒められた」という記憶もあるようだが、僕はそういう記憶がない。
でも、これからの社会は、というか既に今の社会は「どうにかなる」くらいで動いていかないと、うまくいかないんじゃないか。そして、日本は「頑張った記憶」に頼り過ぎていることが、いろんな問題の根っこにあるようにも思う。 >> 「大企業を辞められない人」の理由って何だろ?の続きを読む