自宅近くの、とは言ってもちょっと離れていて普段あまり行かないエリアに文房具屋がある。
この間、久しぶりに通ったらまだ営業していて懐かしくなった。
というのも、いまから15年ほど前にここで一度だけ買い物をしたことがある。履歴書を買ったのだ。
ちょうど40歳を前にする頃で、会社を辞める決断をしていた時だった。「辞める」と決めて、家族や親しい人に伝えたのはいいが、「この仕事までは」と頼まれたりして実際に辞めるまでには2年かかった。
そして、自分自身もまだ揺らいでいた。
何といっても、辞めた後の具体的な仕事の予定が全くなかったのである。
会社を辞めて仕事を始める場合、それまでの会社との取引を継続する人もいる。広告代理店のクリエイターの場合は、こういうケースも多い。クライアントの信頼があれば、所属に関係なく注文は来るのだ。
ただし僕は本社部門にいたし、そもそも広告ビジネス以外の仕事をしたかったので、それを当てにはできない。
そこで、いろいろ調べてみると「パートナー」のような形の社員を求めている会社があることがわかった。いまだと、「多様な働き方」として増えてきたけれど、当時は珍しかったのではないだろうか。
ちょうど自分のスキルが活かせそうな会社なので、応募してみるのもいいかと思った。
そして、ある日会社を休んで履歴書を買いに行った。 >> 会社を休んで、履歴書を買いに行った日。の続きを読む