昨日、NHKスペシャル取材班『健康格差』の中に書かれていた「自己責任論」の話について気になったことを書いた。
「格差拡大で“自己責任論”が強まったけれど、そもそも日本人は助け合ってきたのではないか」
このことについて、最近感じていることを書いておきたいと思う。
イソップの「アリとキリギリス」という寓話がある。これは、「自己責任論」の典型だろう。いまの子どもに対してどのように教えているかは知らないが、僕なんかは「キリギリスになってはいけない」という話で聞かされてと思う。
なんか、辛気臭い話で好きではないけれど「努力すれば報われるし、そうしない人はダメ」というフレームは今でもそうだろう。勉強からスポーツまで、努力は肯定的に扱われている。
このような発想が日本人に定着したきっかけとして挙げられるのが、サミュエル・スマイルズの「自助論」という本だ。この本自体は未読の人でも、「天は自ら助くるものを助く」というフレーズは聞いたことがあるのではないか。
いまは「自助論」というタイトルで複数の訳が出ているが、もともとは「西国立志編」というタイトルで明治4年に出版されてベストセラーになった。西洋の成功者の物語を描いた話だが、これは時の風潮に乗った。
やれば、できる。今でも当たり前のように語られるこのフレーズも原形を探ればこの辺りに行きつくだろう。 >> 「自己責任論」は最近の日本人の発想なのか?の続きを読む