寒くなってくると、温泉宿に行くことが増える。伊豆や箱根は、「飽きた」というほど行っているわけでもないけど、別に一晩でそんなに散財する気もせず、もっぱら小さな宿へ行く。
そんな時に、気を付けなくてはいけないことがあって、まだまだ「カードが使えません」という宿が多い。旅の途中でコンビニを探して、現金を引き出すこともよくある。
こうした宿は、じゃ○んとからの受付もしていないことが多い。電話で、しかも受付時間が決まっていたり、宿なのに休業日があったりする。
予約サイトとクレジットカードの手数料を合わせれば、10%くらいになるんじゃないだろうか。それよりは、価格を優先しているということだろう。
そんな時は、仕方なく現金を使うが、大概の決済はカードを使っている。フリーランスなので、仕事用とプライベート用で分けているが、相当のカードユーザーだと思う。
世の中全体を見ても、キャッシュレスは進んでいるとはいえ、いまの日本はまだまだ現金好きだ。田舎の宿ならともかく、都心にある著名な料理店でもそういう店はある。ただ、この現金好きというのは、店舗側よりも客の側に理由があるようだ。
というのも、博報堂生活総研の調査で「キャッシュレス社会に賛成か」と聞いたら、賛否が真っ二つだったのだ。特に、女性は現金主義で、詳細を見ると若い方がさらに好きなのだ。
しかも理由がすごい。上位から「浪費しそう」「お金の感覚が麻痺しそう」「お金のありがたみがなくなりそう」となっている。「~そう」というのは推測であって、この答に何の合理性もない。
大昔から、浪費家はいたのだ。使う人は使う。でも、そんなことを言っても通じないだろう。だって、これは信仰なのである。
クレジットカードや電子マネーが「浪費しそう」はまあありそうだけど、、そういえば公共料金の自動引き落としを嫌がって、しょっちゅうコンビニに行っている人って、結構多いんだよな。
そうなると、これは「現金が好き」としかいいようがない。
さっき「現金主義」と書いたが、それも変な言葉だ。だって、それは思想なのか。むしろ、先ほどの回答を見ると「現金信仰」とでも言うべきものか。とにかく、現金を信じている。目に見えない電子のカネは邪教なんだろう。
今朝の日経に「ATMの維持費(推計値)が2兆円」という記事が出ていた。日本の現金流通割合が高いことは、海外でも問題視されていてハーバード大の人が「1万円札を廃止するべき」(リンク先日経有料記事)と唱えたりもしている。
現金信者からすれば、気が狂わんばかりの話で「余計なお世話」と激怒しそうだけど、来年あたりから「現金悪者論」が出てきて、五輪も重なって騒々しくなる気がする。
しかし、これは日本においては「宗教戦争」になるんじゃないか。そして、宗教戦争は、結構こじれてしまう。じゃあ、どうしてそこまで現金を拝むのか。
その辺りについては、明日にでも続きを書こうかと思う。