2017年11月アーカイブ
選手としては超一流で監督としての実績もある。ただし、振る舞いや言動には癖もあるので嫌う人もいるようだ。ところが、彼の悪口を言うと、言っている方が「アタマの悪い人」に見えるように思う。
とにかく、彼は自分で考え抜く。「考える」のではなく、「考え抜く」のだ。その思考がよくわかるのが、この「落合博満アドバイスという一冊で、これは野球の本というよりも「思考法」を学ぶ一冊ともいえるんじゃないだろうか。
既に多くの著作があり世評も高いが、この本は社会人野球の指導者を念頭に置いている。そのため、人材育成という面から読むと「ああ、なるほど」と納得することがあるわけだ。
落合という人は、基本的には合理主義者だ。この本にもあるが、高校の野球部を7回退部したというくらい理不尽なタテ社会を嫌う。また、トレーニングにおいても意味のない根性論を否定する。
ノックにしても「左右に振り回す」のはただのしごきであり、まず正面で捕球させることで正しい守備を知ることにつながるという。
ただし、この本を読むと「気持ち」の部分の大切さも強調していて、「合理的精神論者」とでもいうようなイメージを受けた。で、こうした「合理的精神論」というのは、ビジネスの世界でも大切じゃないかと思ったりもする。 >> 「合理的精神論者」の面目躍如『落合博満アドバイス』【書評】の続きを読む