2017年11月アーカイブ
(2017年11月24日)

カテゴリ:マーケティング

つい先日のことだけど、自室の呼び鈴が鳴った。集合住宅なので、エントランスのカメラを見ると荷物を持っている。

普通だと「ヤマトです」とか「ゆうぱっく」ですとか言うのに、無言だ。ただ、注文していた心当たりがあったので開錠した。

部屋まで来て、外を確認すると配達の人が来ている。荷物を差し出し、無言で伝票を出す。何か言ってるようだが、聞き取れない。「ありがとう」と言っても、無言のままで去っていった。

聞いたことのない宅配業者だった。

もしかしたら外国人だったのか、それとも話をしたくない人だったのか。それだったら、ロボットの方がいいんじゃないかと思ったりもする。

頼んだのは日用品だったけれど、これからの時期にこんな感じでギフトが来たら、なんかガッカリだろうな。

そういえば、最近ヤマト運輸の方がめっきり来なくなった。アマゾンとの契約が変わったからだろう。近所を歩いていたら顔馴染のKさんと会って、元気そうではあったが「久しぶりです」と照れ笑いだった。 >> クロネコヤマトの去った街で。の続きを読む



今日は宝塚宙組のトップスター、朝夏まなとの最後の舞台だ。

妻は友人と、映画館に行っている。ここ最近宝塚の公演最終日は東宝系の映画館でライブビューイングをしているのだ。いったい誰が考え付いたのか、阪急グループおそるべし。

今回のようにトップのラストデイともなれば、チケットもそれなりの稀少性があるようで、そりゃ、満席になる映画もそうそうないんだから興行的にも十分ありなんだろう。

最後の舞台は「神々の土地~ロマノフたちの黄昏~」と言うタイトルで、上田久美子が作・演出だ。僕は、10月19日の公演を見たが、歴史のダイナミズムと独特の切なさが絡み合ういい舞台だった。

宝塚は、さほど頻繁に観るわけでもないのだけれど、上田久美子さんの作品はとても楽しみにしている。

2014年の「翼ある人々」に驚き、翌年の「星逢一夜」に心打たれた。年初の「金色の砂漠」にはやや既視感があったのだが、彼女の書いた舞台については観るたびにブログに感想を書いている。

で、今回も、書こうと思いつつ忙しかったために気づいたら千秋楽になってしまった。

上田久美子さんは、歴史とりわけ西洋史については深い理解があり、芸術についても優れた視点を持っていると思っている。 >> 熱くて冷ややかなロシア。上田久美子の「神々の土地」~宝塚宙組の続きを読む



田園都市線が、いろいろと大変なようだ。たまたま昨日は昼前に乗る必要があるあったのだが、まだダイヤが乱れていて車内アナウンスは謝りっぱなしだ。まあ、謝られても仕方ないけど、都営地下鉄みたいに「録音で謝る」よりはいいんだろうか。

ただ、田園都市線はトラブルが頻発しているようだ。昨日来、施設の老朽化や人材難などを指摘する記事が出てきたけど、構造的な問題なんだろうなと思う。

以前、外国人を連れてきて「日本すごい~」と言わせる番組をたまたま見たら、田園都市線の保守作業が取材されていたけど、いや、もしかしたら別の意味ですごいのか。いずれにしても、メディアが「日本ボケ」している間に、いろいろなことが起きているんだろう。

それにしても、東急のブランド力はいろいろと微妙だ。最も強固なのは顧客基盤で、東横線と田園都市線を中心にした城南から神奈川エリアは、人気エリアで所得も高い。

そして、知らない間に「目蒲線」はなくなった。蒲田は排除されて、目黒線と多摩川線だ。再開発の渋谷から、地下化した後の代官山へのエリアも注目されている。

そういう意味で、「いわゆるブランド戦略」は達者に見えるんだけど、地下化した後の東横線渋谷駅を「いい」と言った人に会ったことがない。

今回の件もそうだけれど、「鉄道をきちんと走らせてストレスなく移動する」という機能が不十分ということなんだろう。 >> 岐路に立つ「東急」ブランド。の続きを読む



ジョーン・C・ウィリアムズ著/山田美明・井上大剛(訳)『アメリカを動かす「ホワイト・ワーきんぐ・クラス」という人々』(集英社)

考えてみれば「あの」大統領選挙から、ちょうど1年になる。

トランプの選出に驚いたメディアは、その「支持者」がどのよう人かに注目した。「ラストベルト(rust belt)のように耳慣れない言葉が飛び交い、それは「不満を持つ白人」としてレッドネック(redneck)のような表現とともに耳にはするものの、その実情はどのようなものなのか?

報道は多かったものの、その心理のインサイトや背景に迫ったものはなく、いかに表層的だったのか。つまり、彼らの心情については実は何一つ理解していなかったのではないか?

この本を読んで、改めてそう思った。著者はカリフォルニア大学の教授だが、表層的なジャーナリズムと、本物のアカデミズムの差を実感する。

ただし、この本はとても読みやすい。しかし、深い。著者の視点はニュートラルで、本当に米国の未来を深く考えていることに感動する。

そして、ワーキングクラスをめぐる課題は、米国だけのことではないわけで、どの国においても「自分事」となるだろう。

「なぜ、ワーキング・クラスは専門職に反感を抱き、富裕層を高く評価するのか?」

このタイトルの章では、こう書かれる。 >> 「トランプ支持者」でわかった気になってはいけない。『アメリカを動かす「ホワイト・ワーキング・クラス」という人々【書評】の続きを読む



「72時間ホンネテレビ」が、ちょっとした嵐を起こしている感じだ。メディアや広告に関わっている人は相当気にしているように思う。

それは、そうだろう。その視聴者数が今後どのようなメディア価値、平たく言えば広告収入に換算されていくかはわからないが、AbemaTVへの注目度はさらに上がっただろう。

そして、「テレビはタブーだらけで面白くなくなった」という“言い訳”も通用しなくなった。別にBPOが悪いのではなく、テレビ局が誰に遠慮しているかが分かったからだ。

ちなみに、テレビ局と芸能事務所の関係についてはこのような分析もある。

で、僕が今回の「ホンネテレビ」で感じたことは、「さすが」と「やっぱり」の二面がある。

「さすが」というのは、既に言われていることだけどタイトル通りの「ホンネ」がにじみ出ていたことで、これは出演者のホンネと視聴者のホンネが一致したということだろう。

ネットが登場してから、マスメディアはどんどん建前の世界になり、ネットではそこで覆い隠された感情が噴出するようになった。

それは、事件をめぐる報道や政治に関する話題でも同じで、しかも世界的な傾向になっている。

今回はネットのホンネ感覚のままで、マスの世界に入っていったのだけど、そこには「土足で上がる」ような乱暴さはない。「テレビ的な感覚」を大事にしてると思うし、これは「マツコ&有吉」で上手にホンネを料理していたテレビ局が関わっていることもあるのかなと思う。 >> 「72時間ホンネテレビ」で感じた”さすが”と”やっぱり”。の続きを読む