2017年10月アーカイブ

なんか、時間が経ってからコンサートのことを書くのも間が抜けているのだけれど、10月14日の新国立劇場「神々の黄昏」は、引っかかる公演だった。

歌手陣は総じて堅調だったのだけれど、オーケストラが乱調だった。というか、ホルンがブッ飛んでた。舞台裏のいわゆる「ジークフリートの角笛」のソロが、音を外しまくっていて、それも並の外し方ではない。

一幕でもひどく休憩時間に友人と呆れていたのだが、三幕でも相変わらずだった。

あれは、たしかに難しいし、重箱の隅を突っつくようなことは野暮だとは思う。

でも、あの動機は楽曲の核だ。重箱の真ん中にある料理が腐っているような話じゃないか。高音域が怪しいのはまだわかるけど、FからCへの跳躍ができないというのは、どうしたんだろう。

本来のホルン奏者が舞台裏で拉致されて、どこかの高校生が吹いているんじゃないか?とかそんな妄想が広がってしまう。

オーケストラは読売日本交響楽団で、東京では「安定したオケ」というイメージがある。

それだけに、何が起きたのかよくわからないまま演奏は終わってしまった。この日の読響はホルンだけではなく、アンサンブルが不安定だった。

音程やリズムも不揃いで、明らかにずれていることも多い。2年ほど前に聴いたシベリウスのコンサートを思い出すと、この不調は謎だ。 >> 日本のオーケストラはうまくなったのか?の続きを読む