高校野球には殆ど関心がない。ずっと前からそうだ。特に理由はなく、毛嫌いしているわけではない。自分がいた高校に硬式野球部がなかったこともあるんだろうか。
まあ、そういう僕が知っている高校野球の話題というのは、相当凄い話なんだろう。早実の清宮選手の話題はその一つで、明日記者会見をして進路を表明する、という話なんかをさっき知った。
そして、ずっと気になっているのが彼の本塁打記録に関する表記だ。いつの間にか「高校野球史上最多とされる通算本塁打」という言い回しだ。
ううむ、なんかムズムズする。この違和感の正体は「とされる」だ。
「最多本塁打」ではなく「最多とされる本塁打」というのは、なんなのかというと、どうやら公式の記録があるわけでないことが理由のようだ。
これはネットで調べると同じようなことが書いてあるが、主催者の朝日新聞のサイトにもこう書かれている。
「高校生の通算本塁打数とは、公式戦と練習試合を合わせた本数になっている。チームのスコアブックで確認できる場合もあれば、記者の取材に選手自身が答えたものもあり、各都道府県の高校野球連盟が把握する公式の記録ではない。」
だから「とされる」が定着したんだろう。いつからかはわからない。ただ、いろいろな事情があって気がついたらこうなっていた。普通に「通算本塁打記録」と書けば、いろいろな意見が出てくることは想像できる。
しかし、「とされる」は妙な言い方で、じゃあ、誰によって「された」のか。英語の受動態のようだけれど、これが日本語の特徴で別にby ~がなくてもまあ成り立つ。でも、やはりムズムズ感は残る。少なくても僕は。
あえて、誰によってと書けばこうなるのか。
「様々な過去のデータを調査したメディアによって史上最多とされた」
ちゃんと数えたなら普通に書けばいいのに!ただし、高校野球は学校によって試合数が異なる。トーナメントで負ければ、打撃機会も少ないわけで、やや「微妙な」記録なのかもしれない。
それでも、なぜ数を数え始めたかというのはさっきの記事にもあって、PL学園の清原・桑田のコンビからではないかという。ちゃんと「メディアが数え始めた」と書いてある。
だから、今回の言い回しもこうなるのかもしれない。
「ヒーローの出現を大きく報じることで視聴率やPVの伸びを期待するメディアによって史上最多とされた」
ああ、これはいろいろとありそうだ。「スキャンダルによる視聴率やPVの伸びを期待するメディアによって問題とされた」人たちは山ほどいる。政権の失速を期待するメディアもありそうだ。
ただし、ふと気づいたんだが視聴率やPVは伸びても、「発行部数」が増えたとはあまり聞かない。これもまた何とも味わい深い。