このくらいの季節から、段々とすっきりしたスピリッツが飲みたくなって、ジンにライムを絞って飲んだりしていたのだけど、ふとしたきっかけでウォッカにしてみた。
学生時代にはよくウォッカを飲んでいて、それは単に安かったからだと思う。ストロワヤとかだったけど、考えてみれば「ソ連」の酒だ。そして、最近は欧州の各地でウォッカがつくられていて、プレミアムウォッカと呼ばれるカテゴリーも生まれてきた。
そのきっかけというのは、『誘うブランド』という本を読んだことだ。ブランドを巡る心理面からのアプローチの本だが、冒頭に2つのウォッカのブランドについての消費者リサーチの話がある。
そこに出てくるのが、グレイグースとケテルワンというウォッカ。読んでいるうちに飲みたくなり、ちょっと迷ってグレイグースを選んだ。
昔に、というか現在でも飲める普通のウォッカとは全く違う。酒として、というより液体としての完成度が高い。ストレートで、そのまま口に含んだ時のまろやかさに驚く。
ある意味、危ない。ライムを絞って、炭酸で割ったらいきなり猫が飛んできた。テーブルに乗ってくることはあまりないのだが、いったい何に反応したのか。
ボトルのグースに惹かれたのかもしれないが、そうか猫にも感じるものがあるのか、さすがプレミアム。デザインも素晴らしく、置いておくだけでありがたい感じ。
ウオッカとしては高価だが、ウィスキーなど含めて「ちょっといい蒸留酒」としては、まあそういうものだろうな。
ところで『誘うブランド』自体はどうかというと、う~む、どこかに既視感がある。心理的アプローチであれば、もう古典ではあるけれども、まず『サブリミナル・マインド』を読んだ方がいいようにも思った。
というわけで、書評を書こうと思っていたんだけど、酒の話になってしまった。
こちらは、十分にお勧めできる。ただ、おいしいだけに「取扱注意」ではあるけれど。