CMの「炎上」が止まらない。
ユニ・チャームの「ムーニー」が2016年12月に作った動画が、今になって「炎上」したらしい。こちらの辺りの記事で知った。その後もいろいろな人が、いろいろと書いているけれど、どうやらCMにおける「リアリティ」の捉え方が急速に変わっているように感じる。
広告はフィクションはノンフィクションか?これは、結構おもしろい問いだ。
それは、フィクションであり、ノンフィクションだと考えていいだろう。展開されるストーリーの多くはフィクションだ。タレント同士が恋人役を演じていても、それは「お約束」だ。ある程度の誇張も許容される。
一方で、商品自体の情報はノンフィクションでなくてはならない。事実を伝えなければ、問題になるし、それは法規制にも引っかかる。だから、一部の誇張表現や、「NO.1」みたいな表現には但し書きがある。
この、フィクションとノンフィクションの狭間で「事故」は起きる。それは何でだろう?と考えると、3つほどの理由があると思う。 >> CM炎上は正義がもたらす「表現狩り」か。の続きを読む
【読んだ本】穂村弘「野良猫を尊敬した日」(講談社)
店で日本酒を頼むと「常温」という言葉を聞くことがある。
とある店で「いつ頃からだろうか」という話になった。あまり日本酒の人気がない1980年代に、300ccほどのボトルに入れた「冷酒」を出すようになり、それで普通の冷や酒(ひやざけ)を「常温」というようになった気もするが、いまだに居心地が悪い。
このボトル入りの「冷酒」は、「とりあえず冷やせば飲みやすいだろう」的な感じで大手メーカーが作っていたりして、日本酒好きはあまり選ばない気もする。
ただし、80年代後半くらいから「地酒」をそろえる店が増えた。そういう店は、一升瓶を冷蔵庫で保管してあるので、大概のものは冷えて出てくる。グラスで飲むようになったのも、この頃だ。
僕が会社に入った頃、新宿三丁目によく行った店がある。というか、今でもある。そこの主人が店をやめて、それがきっかけでしばらく行かなかったのだが、最近行ったら雰囲気は変わってなかった。 >> 自分のことをきちんと書けるってすごい『野良猫を尊敬した日』【書評】の続きを読む
【読んだ本】川上和人『鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。』(新潮社)
連休中に早朝バードウォッチングに行った。久しぶりにガイドツアーに参加したのだけれど、この時期の山は葉も少なく、鳥たちは求愛の真っただ中。
人にとって「いい声だな」というのも、雄鳥にとっては必至なわけで、時には激しい縄張り争いも見られる。カップリングした鳥たちはどこか幸せそうでかわいらしいのだけれど、考えてみると新婚生活をのぞき見して、しかも朝っぱらから双眼鏡でじっと見ているんだから相当に悪趣味なのかもしれない。
子どもの頃に初めて飼った動物はインコだった。それ以来、鳥は好きだ。そんな熱心ではないけれど、そうしてたまにはウォッチングをする。
で、この1冊は鳥好きにはもちろん、自然に興味のある人、あるいは単に好奇心を刺激されるエッセイを読みたい人にも勧められる。
いや、こんなに文章の達者な鳥類学者がいるとは最近まで知らなかった。前著の『鳥類学者 無謀にも恐竜を語る』で驚いたが、このエッセイはさらに自在だ。何と言っても本業に関わることだし。 >> 中身も文も一級品。『鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。』【書評】の続きを読む
内閣支持率が安定している。昨日の日経の調査では60%で横ばいだし、少し前の他社の数字も数値は異なるが安定している。最近は調査法によって各社の数値の幅があることも知られているが、全体傾向としては安定と言える。
森友学園のスキャンダルは、かつてであれば支持率に相当な影響を与えたと思うし、失言による閣僚辞任もダメージにはなるだろう。
調査している新聞社も、そのあたりのことは何となく腑に落ちないようで、朝日が週刊文春の編集長にそのあたりのことを訊ねていた。
「それは極めてわかりやすい話で、安倍首相の代わりがいないからです」ということだけど、だからと言って「支持」を続けるのだろうか。
で、ふと思ったのだけど、「支持率」という言葉を「容認率」と読み替えてみると、腑に落ちるのだ。 >> 内閣支持率は、「容認率」だと思えばいいんじゃないか?の続きを読む