フィルハーモニア管弦楽団演奏会 指揮:エサ=ペッカ・サロネン
2017年5月18日 オペラシティ・コンサートホール
ストラヴィンスキー:葬送の歌 op.5 [日本初演] マーラー:交響曲第6番イ短調 《悲劇的》
サロネンを嫌うという人はあまり聞かないが、熱烈に好きという「信者」が多い印象も薄かった。来日した時の演奏を聴いた経験だと、「冷静なようでいて、気がつくと相当盛り上がる」タイプという感じで、一度聴くとファンになる人はいるんじゃないか。
というわけで、マーラーの「悲劇的」は相当期待して早めにチケットを入手したのだが、同じような人が多いのか、満員御礼。
男性一人の客が多いという、まあ後期ロマン派にありがちな雰囲気だ。
「悲劇的」は、なぜか最近よく聴く。2月のN響、3月の音楽大学フェスティバル・オーケストラに続いて今年3回目だ。
そして、圧巻。冒頭は、オケの調子も「ならし運転」的な感じもしたけれど、呈示部をリピートしたあたりから暖まってくる。サロネンは、結構左右に振れつつ弦には細かく指示を出すが、菅は「基本お任せ」という感じだ。もちろん、よくわかっている手兵だからスムーズに鳴る。
オペラシティのホールは、こうした大編成の曲だと”ウワンウワン”と響きすぎるという人もいて、たしかにそうした傾向はあるけれど、この日は気にならない。オケがコントールしているのだろう。 >> 建築家で大工で、そして解体屋。サロネンのマーラー『悲劇的』の続きを読む