2017年04月アーカイブ
本屋大賞は、直木賞だった。初の「ダブル受賞」ということで、それだけの作品なのだろうけれど、じゃあ本屋大賞って何のためにあるんだろうか。
その趣旨を見ると「売り場からベストセラーをつくる!」とある。でも、「蜜蜂と遠雷」は既にベストセラーだろう。「売り場から」というのは、いわゆる文学賞とは一線を画したいという志だったんだろうけれど、直木賞と「ダブル」なのだ。
もともとは、「プロの目で面白い本を紹介する」ということが趣旨だったんだろう。ところが、近年になって単なる販促キャンペーンにしか見えない。仕方ないといえばそれまでだけど、それが文学界にとってどうなんだろう。
一方で、昨年の受賞作を読んだときは思わず唸ってしまった。「ウウム」と唸るのは、感心した時もそうだけど、逆の時もあって、これは逆の方だ。本の批判をダラダラ書くのは気が進まないけど、とにかく登場人物の行動に必然性がない。心の底にある動機がみえてこない。
そういえば、最近の小説だと『羊と鋼の森』もそうだが、『暗幕のゲルニカ』も唸った。中学生の頃に読んだ五木寛之の小説を思い出す。そうか、中学生だったらいいのかもしれない。 >> 最近の「本屋大賞」は、なんか違うんじゃないか。の続きを読む