日経流通新聞の「ヒット商品番付」というのがあり、毎年「残念賞」というのがある。昨年はSMAPで、その前は五輪エンブレムだったけど、今年は「プレミアムフライデー」になるのだろうか。
今さらだけど、この「プレミアムフライデー」はいま一つ筋がよくないと思う。「一斉に休む」という発想から抜けてないし、金曜日は普通に夜を楽しみたい人も多いのだから、17時に帰してもらえれば、つまりノー残業で十分だろう。
15時に終わっても遠出できるところは限られる。
しかも、次回は3月31日の年度末で、その次は4月28日の連休前。やっと5月末に思い出す頃にはどうなっているんだろう。
役所のつくる制度を、いちいち否定するつもりもないけれど、どうもこれはピンとこない。
休暇の取得が増えないのは、心理の問題だし、制度的には祝日の数も含めて限界だと思うんだ。
それは、「半端な承認欲求」が原因だと思う。
僕は会社員時代から、好きな時に休んでいたので、5月の連休やお盆で苦労したことはない。あまり人の目を気にしないで、休んでいたのだろう。そういえば、5月の連休明けから欧州に行ったこともある。
ただし、「周りの目」は気にしない割に、「世の中からの目」は気にしていた。だから、会社を辞めてしまったわけだし、いわゆる承認欲求は強い方だろう。そして仕事については「やるだけやってる」というつもりだったので、こういうタイプは休むのも図々しい。
一方で、全体的に承認欲求の弱い人は、それなりにマイペースだ。しかも所属欲求も緩かったりすると、休むのもマイペースになる。
そして、よほど会社に迷惑をかけない限りは、それなりの会社員生活をまっとうできる。今の日本の雇用ではそうだろう。
問題は、「半端な承認欲求」を持っている人たちじゃないか。組織からの評価はしてほしい。ほめてもらいたい。でも、「認められてくれなきゃ自分でやるぜ」というほどの気概も薄い。
そういう人は、「できるだけ会社にいる」ことが心の拠り所になる。
そして日本の会社では、30代後半くらいから、この「半端な承認欲求」が燻っている人が増えてくる。新人の頃は「何で認められないんだ」「今に見ていろ」みたいなパワーが、誰にでもある程度はある。そして、不満の強い人はスピンオフしていく。
しかし、ある程度認められると、今度はそれが習慣になる。つまり、「餌付け」にひっかかった! ということは本人は気づかない。
やがて40になる頃には「気が早く帰っても休んでもやることがない」という状態になって、会社という畑に根を張ってしまう。
「そこそこ頑張れば何とかなる」そういう半端な期待に応えるような方針をやめちゃうのが、最大の「働き方改革」だと思うんだけど。