死の床から復活した、ぬか床。
(2017年1月17日)

カテゴリ:食べてみた
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IMG_2274それがいいのかどうかは分からないのだが、「悩みはあるのか?」と自問した場合、「特にはない」ということが続いていたような気がする。

会社を辞めようかどうか?ということを日々考えていたのは「悩み」といえば悩みであった気もする。ただ、いざ決めてしまえば「さあ、どうしようか?」ということを考えればいい。

そういうのは、あまり「悩み」という感じはしなくて、ただの問題解決シミュレーションだ。「どうやっていいのか分からない」となるというのが「悩み」だとすると、あまりそういう経験はないように思う。

ところが、昨年の秋頃は明らかに「悩み」があった。自宅のぬか床の調子がおかしくなり、強烈な異臭を放つようになったのだ。

自分でぬか床をつくりぬか漬けをつくるようになって3年が過ぎた。最初はamazonで売っている「鉄粉ぬか床」というのを買ってみた。少々塩分が強い気もするが、とりあえず味はまとまる。その後は、普通のぬかを買い足して自分なりに調整してきた。

いまの時期だと「みかんの皮」なども、柔らかな風味になる。

そして、ぬかにはコンディションがあって、うっかりすると妙な臭いを放つ。この辺りは、いろいろと解説されているが簡単に言うと「悪い菌と良い菌」のバランスが崩れるのだ。

それを保つために「毎日かきまぜろ」ということになるのである。

その悪臭は、「シンナーのような臭い」と呼ばれることが多く、その解決には「からし」を使う。小さな缶で売っているからしの粉を投入すると、たしかに何日かで鎮静化する。家にあるからしの缶は、それ以外の目的で使わない。からしを使うような料理を家では作らないのにちゃんと減っていく。

というわけで、まあリカバリーはできるだろうと思っていたのだが、昨秋のはひどかった。夏を無事過ごして油断していたのだろう。9月末頃から、ぬかをひっくり返すと中の色が、薄くて黄色っぽくなってきた。本来はもう少し茶色いのだ。

そして、その臭いがどんどんきつくなってくる。どこかで嗅いだことがあるなとおもったら、フォンデュで使うグリーエルチーズのような感じだ。

からしも効かずに、どんどんダメになる。ぬか床が死の床にある。いや、そんな韻を踏んでいる場合ではない!どうすればいいのか、いろいろ調べて分かったことは単純だだった。

「塩の大量投入」である。とにかく菌の働きを止めるのだ。普段の料理用は勿体ない、というか量が足りないので、わざわざスーパーに行って、あまり高くない塩を買ってくる。そして、これでもか、というくらいドバドバ入れるのである。

もちろん、当面はしょっぱくてどうしようもない。段々とぬかを入れ替えて味を調えたけど、結局は全治2か月という感じだった。

そして、この冬はまたおいしくぬか漬けを食べている。

おかげで、これといった悩みはない