タイトル書いてから思ったんだけど、麻雀とトランプというゲームの話をしたいのではない。
飯塚市長が辞意を表明した。平日の日中に副市長と賭け麻雀をしょっちゅうやっていたことが、地元紙に取り上げられたことがきっかけになったようだ。
この手のニュースは、普段だったら気にすることもないんだけど、昨年の発覚後にたまたま記者会見を見た。
その問答で驚いたのだけど、市長の齊藤守史という人が結構居丈高な感じなのだ。「カネを賭けずに麻雀する人がどれだけいるんだ」とか、記者に対して「つき合いをやめなきゃいけないのか」と逆質問して、その態度が相当に尊大で驚いた。
こういう記者会見だと、追求する記者が傲慢に見えることの方が多いのだけど、この時は市長の態度が「ちょっとひどいな」と思った。まあ、それが反感を買って、辞職につながったのだろうけど。
で、経歴を聞いて「あ、なるほど」と思った。この人は地元の調味料メーカーの経営者で、会長を務めつつ市長でもあったらしい。まあ、こういうのは地方では珍しくない。この市長は50歳で社長になり、その後18年間トップにいた。その間に、市長を10年やってる。まあ飯塚においては、逆らう人はいないんだろう。
ただ、こういう人は他人からの批判、しかも目の前で文句言われることに慣れてない。
だから、記者会見の傲慢な態度は、防衛本能のようなものが極端に出たんじゃないかと思う。市長選も自公民相乗りで楽勝だ。つまり、アタマを下げて政治家になっていないから、ああいう態度になったんじゃないかと思う。
そして、「いろいろ言われてまで、こんな仕事やってられるか」となれば辞任するわけだ。
さて、間もなくトランプ次期米国大統領が記者会見をする。ツイッターと違って、目の前の記者との問答だ。当選後にここまで記者会見を伸ばしたケースはあっただろうか。
いわゆるハネムーン期間というのは、今回の政権には通用しないかもしれない。いままでは「次期大統領」だから見逃されていたことも、辛辣に追及される。
そして、何よりもトランプは「人から面と向かって批判される」ことに慣れてないだろう。いや、大昔にあったのかもしれないがもう忘れてるはずだ。そうした意味では、飯塚市長と同じようなメンタリティじゃないかと想像する。比較するのが妙だと思われるかもしれないが、大きさは違えど結構相似形じゃないだろうか。
強いイメージを出しているようで、結構「打たれ弱い」。どうもトランプにはそういうイメージがある。
一つずっと気になっていたのがトランプの動作だ。彼の演説を見ていると、ここぞという時に両腕を体に密着させて、肘から先だけを外に広げるような動作をする。
政治家は、こういう時に両腕を大きく開いて「自分を大きく見せて信頼を得る」というのが基本じゃないだろうか。つまり、あの動作は彼の「癖」なのだろうが、どうも「根は小心」では?と思うのだ。
これからは米国メディアも厳しいだろう。文春砲が江戸時代の玩具に見えるくらいに。いろんなニュースがぶっ放されるはずだ。そこには、家族のスキャンダルも含まれるかもしれない。それに、トランプは耐えられるのだろうか?
まあ、いろんな事態を想定して、マイク・ペンスとはしっかりつき合っておいた方がいいんじゃないか、と思ったりもするのである。
そういえば、『使用人が見たホワイトハウス』はいろいろと面白かった。ホワイトハウスは公私が一体化した空間で、大統領の私的なパーティもスタッフが支える代わりに、費用は個人持ちでそれがなかなかバカにならないらしい。殆どの大統領が倹約を申し付けたが、例外は父ブッシュ夫人のバーバラだけだったと書いている。
トランプは、倹約指示をしないことについては間違いなく「2人目」になるんだろうけど、スタッフも今頃戦々恐々なんだろうな。