結構前から、卓上のカレンダーは太陰太陽暦がわかるものを使っていた。旧月名や月齢がわかるのも面白いけど、何といっても二十四節気が楽しい。
というか、季節感を正しく知ることができるし、実は合理的で実用的なところもある。
そして、今年からは七十二候のカレンダーを置いてみた。二十四節気をさらに、初候・次候・末候の3つに分けて七十二となる。
元旦から、というか正確には昨年の大晦日からが「雪下出麦」で「ゆきわたりてむぎのびる」と読む。
5日からは二十四節気の「小寒」になり、七十二候は「芹乃栄」で「せりすなわちさかう」となるのだが、寒い中でも麦やら芹やらは頑張ってるよ!ということで全体に前のめりだ。
そして、10日からは「水泉動」で「しみずあたたかをふくむ」となる。
この前のめりには理由があって、二十四節気は「冬至」がゼロ・リセットだ。だから、そこからジワジワと春に向かって暦が進んでいく感覚なのだと思う。
改めて驚いたのだけど、元旦はまだ「冬至」なのだ。冬至というと、もっとも日照時間の短い日を指すが、二十四節気ではその日から二週間ほどの期間も冬至となる。
だからクリスマスも正月も「冬至」の中での出来事だと思うとおもしろい。つまり、この期間は次に備えてじっとしているのが自然なのだろう。
よく、二十四節気が現代の感覚に合ってないという話も聞く。だから「暦の上では立秋ですが、連日の猛暑が続き…」のような常套句になる。
でも、それはちょっと違うんじゃないかなと最近思うようになった。現在の四季は、春夏秋冬を「暖・暑・涼・寒」のような感覚でわけている。つまり、気温で季節を感じている人が多い。
ところが、気温というのは毎年変化するし、時代によっても変わる。しかし日照時間は同じように変化する。つまり、地球を含めた星の動きを感じるなら二十四節気の方がむしろ自然だと思う。
そして、この前のめりの感覚は実は合理的だと思う。たとえば11月の末、小雪の次候は「朔風払葉」で「きたかぜこのはをはらう」となっていかにも「寒くなるぞ~」と煽っている。
ただし、この時期はちょうどインフルエンザの予防注射をするタイミングだし、注意しないと急に朝夕の気温が下がって風邪をひく人も結構多い。早目のアラームなのだ。
一方で2月はたしかに寒いけれど、段々と日は長くなってきている。早く起きると、空が明るく結構いい気分で仕事がはかどる。
昔の暦というとなんか年寄りくさいイメージもあるかもしれないが、仕事にも生かせるわけで「二十四節気でビジネスはうまく回る!」とかいう本、誰か書いてみたらどうなんだろう。
まあ、そんな本に頼る時点で何かがダメな気もするんだけど、カレンダーなどはいいと思うよ。