2017年01月アーカイブ

 

人をどのような代名詞で呼ぶか?というのは日本人にとっては、なかなか議論の尽きない話だ。日本語の代名詞についての特徴は、以前こちらでも書いたが鈴木孝夫氏の「ことばと文化」が実におもしろい。

そうした代名詞の使い分けは面倒だけれど、意外なメリットもある。

銀行を装っているメールなのに「貴様のアカウント」とか書いてあるために、一発で「これはダメだろ」とわかる。外国人の詐欺団にとって、日本語は参入障壁なのだ。

そして、欧米語に比べると、代名詞だけではなく、「おじさん」などの「親族名称」でを使い、それが時には他人にも使われる。

というわけで、人の呼び方はいろいろだが自分の配偶者をどう呼ぶか?というのはなかなか難しい。

そんなことを考えたきっかけは作家の川上未映子氏が書いた『「主人という言葉が心底嫌い」というタイトルの文を読んだからだ。

彼女は、自分の夫を「主人」と呼ぶのを聞くと気が滅入るという。また妻を「嫁」と呼ぶことも嫌いだという。「主人」も「嫁」も差別用語として認識されるべきという話だった。

個人的には「嫁」は使わない。彼女の書くように「夫」「妻」でいいとは思う。だから主旨は理解できる。でも、この文章には何だか違和感がある。

どうしてだろう? >> 「主人」も「嫁」も、嫌うのはわかるんだけどさ。の続きを読む