石原慎太郎の都知事時代の功罪はいろいろあるだろうし、人によって評価も異なるのだろうが、「大江戸線」のネーミングにまつわる話は最大の「功」だと思う。
大江戸線がとてもいい!と思うわけではないが、最初の委員会答申では「東京環状線」で「愛称:ゆめもぐら」だった。石原氏は「環状していない」という理由で外させたというが、僕は「ゆめもぐら」が許せなかったんじゃないかと推測している。いや、やめてよかったよ。
先日、小池都知事が「東京ブランド戦略」を見直すと言い出して、まずは観光ボランティアの制服が槍玉にあげられた。舛添氏も美術に関心が高かったようだが、どうしてああいうデザインになったのか。慎太郎だったら却下したんじゃないかと思う。
この「東京ブランド」を巡る報道は、殆ど制服の話になっているが、そもそも「&TOKYO」というコンセプトもなかなか悩ましい。
一般的にブランディングにおいては、その対象になる価値を言葉で規定している。ただし、都市と言うのは一言で表現するのは難しく、大都市になればなるほど大変だと思う。なぜなら、多面性が強くなるわけで、地方ほど規定はしやすいだろう。
「杜の都・仙台」なら、まあ大体の人は納得する。
ところが、東京となるとどこを切り取るかが難しい。江戸から続く文化と、最先端のビジネス、あるいはサブカルチャーなどあまりにもごった煮で、それがまた魅力だ。こういう時にどうするか?というお手本としては、”I Love New York“を思い出す。
ニューヨークがどんな街かは何も言っていない。しかし、インパクトは強かった。
「&TOKYO」に決めるまでも、そうした議論があったんじゃないかと推測する。
だから、「東京の価値」を決めるのではなく、”&”に託した。託した、といえばいいようにも聞こえるが、ただ何となく「丸投げ」感もある。
かくして、sushiからmatsuriから、もう何でもありということになった。 >> 制服だけじゃない、「東京ブランド」のホントの課題。の続きを読む