2016年10月アーカイブ
インターネットの時代になって、いろんな人が専門家のようなことを言うようになった。ただし、どんな分野でもそうなるわけじゃなくて、いきなり「ステンレスの冶金」について語る人が増えたわけじゃない。そもそも、冶金を「ちきん」と読んでしまう人だっているだろう。
そんな中で「マーケティング」については、語る人が増えた。そして、その際にはいろんな数字が引用される。ところが、この数字というのが曲者だ。
この本は、そういう「マーケティングの谷間」に落ちている「生半可な常識」を鮮やかに斬っていく。
たとえば、典型的な「若者の○○離れ」なんかは、いい例だろう。ビールや海外旅行、クルマ、そして果物などの例を見ていくと、意外な背景が見えてくる。
「今の若者は」と下手に言うと、「そんなのギリシャ時代から」とか反論されちゃうので、一生懸命データを出して来たら、それがますます変だったというような話だ。
「保育園建設に反対してるのは誰か」などは、データで見ると納得するし、イメージが先行していることがわかる。また「飲酒やめると早死にするって本当?」というのは、典型的なサンプルの読み方違いの可能性がある。いわゆる「ドクターストップ」を受けている人が、相当いるかもしれない。 >> 半端なマーケティングもどきが一番やばい。「だから数字にダマされる」の続きを読む