日経電子版に「出世ナビ」というコーナーがあって、なぜか懐かしい気持ちになった。
会社員じゃないから、ということもあるけれど、それにしても「出世」という言葉は、死語とは言わないまでも、耳にすることが少ないと思う。
死んでないけど、結構重篤というか、なんというのか、今時じゃない感じもする。
で、ふと気になったけど、この「出世」って英語では何というのか。
調べていくと、1つはpromotionだ。ただ、これは組織内の「昇進」にあたる言葉だろう。地位が上がるのはたしかに出世だけど、ちょっと物足りない気もする。
そして、もう一つはsuccessになる。ただ、英和でsuccessを引けば、もちろん「成功」がまず書かれていて”make a success in one’s life”や”succeed in life”が「出世する」となる。(プログレッシブ英和辞典)
やっぱり、日本語の出世にピタリとくる言葉はないように思う。
この出世という言葉は、もとは仏教用語だ。「俗世間を出て仏門に入ること」という意味があって(岩波国語辞典)、ここから転じたと言われる。そして立身出世というような言葉が出てきて、今の意味につながったのだろう。 >> 「成功」したいか、「出世」したいか。の続きを読む
で、それはさておき(だって書くことがないし)、ちょっと変わった小説の紹介を。
ブコウスキーが1994年に書いた遺作で、最近復刊された「パルプ」が、何だかすごい。
探偵小説というのは、いろいろ読んできたが、この「パルプ」をそこに含めていいのか、よくわからない。とりあえず主人公が探偵ではあるけれど、何らかの謎解きがあるかというと微妙だ。
ハードボイルドのようにも見えるが、ある意味ではハードボイルドというカテゴリー自体の皮肉にもなっている。「あんなカッコいいやついないだろ」という開き直りなんだろうけど、かといってこの主人公は相当ひどい。
キャラクターも出鱈目で、ストーリーも滅裂で、ところが破綻しているかというとそうでもない。ストーリーは、とても説明できないので、出版社の紹介をとりあえず引用するとこんな感じだ。 >> 小説における”完璧な出鱈目”。ブコウスキーの「パルプ」の続きを読む
少女マンガをそんなに熱心に読んだ方ではないけれど、好きな作品はある。成田美名子の「エイリアン通り」「CIPHER」はちょうど大学生の頃だったけど、単行本を揃えていた。紡木たくも読んでいたけど、いま確認すると「ホットロード」は、もう社会人になっていたのか。
他にも「有閑倶楽部」や「スケバン刑事」とか、読んでいたけど共学高校の文化部だったので、周りから借りていたのだと思う。そして、江口寿史を貸していたりしたはずだ。
少女マンガにはその程度の関わりしかなくても、萩尾望都はどこか別格の感じがして、いまでも「ポーの一族」や「トーマの心臓」は文庫が手元にある。
ところが、竹宮恵子は「知っているけど」という感じで、きちんと読んでいなかった。ただ「風と木の詩」のインパクトは相当強かったことを覚えている。
kindle unlimitedの試用中だったこともあり、1巻を読んでみたけれど、相当な息苦しい緊張感がある。流行りものは手を出していたはずなのでけど、この作品は苦手だったのだろう。 >> 少女マンガ史の奇跡「少年の名はジルベール」の続きを読む
ヒラリーの健康問題は、相当波紋を広げるかもしれない。11日の式典での途中退場は熱中症かもしれないけど、「肺炎だった」ということが後から出てくるのが、どうにもまずい。ただでさえ「嘘つき」のラベルがついて回るだけに、これは波紋を広げるだろう。
ただし、トランプも下手な攻撃をすると、また自爆するかもしれない。いずれにしても、史上稀に見る、というかついに米国大統領選挙もここまで来たかと、もう感慨深いくらいだ。
とはいえ、米国大統領選は、まさに「生きたケーススタディ」だ。政治学の選挙研究はもちろん、社会学的に切り口は多い。そして、メディアの仕事をしているものにとっては、貴重なケースの宝庫だ。
大統領選を扱った本は山ほどあるけれど、もしメディアやコミュニケーション、広告などの仕事をしているのならば、この「中傷と陰謀 アメリカ大統領選狂騒史」はぜひ読んでおくといいと思う。大統領選をキャンペーンの歴史から追っているのだけれど、それはまさにメディアの歴史そのものだし、もちろん「いま」を読み解くこともできる。
単に過去を書いているのではなく、理論的な背景も説明してあるので、「コミュニケーション論」の入門にもなり、米国の社会や政治も見えてくるのだ。 >> 大統領選挙はメディア論ケースの宝庫。『中傷と陰謀』の続きを読む
今年の台風は北に厳しい。北海道は相当の範囲で被害を受けているし、東北でもかなり大変だ。集落の孤立や農作物の被害などはニュースでも報じられるが、東京にいると実態がつかみきれないことも多い。
落命することはなくても、生活の基盤には相当の影響が出ているようだ。それを、たまたま購入したショップからのメールで知ることもある。
「nekozuki(ねこずき」という名前で猫グッズの販売をしている会社が岩手にある。ここで、グッズを買っていたことがあったのだが、場所は失念していた。ところが、メールによると、相当の被害だという。
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いつもnekozukiをご利用いただきありがとうございます。
8月30日に発生した台風10号の影響で、工場が甚大な被害を受けました。
昨日9月2日まだ通行止め箇所が多数で辿り着けるか不明でしたが居てもたってもいられず、10時間以上かかりましたが現地へ到着し状況確認をしてきました。
幸い工場の方々に人的な被害はありませんでした。nekozukiのスタッフにも被害はありません。
ただ工場の機械設備、材料等すべて濁流に飲み込まれるという想像以上の被害でした。
2011年の津波、今回の台風と自然の厳しさをあらためて思い知らされました。 >> 台風で被災した、岩手の「nekozuki猫好き」というショップのこと。の続きを読む