日経ビジネスオンライで連載を始めた「ここで一息 ミドル世代のキャリアのY字路」が4か月になった。隔週金曜日で今日も更新なのだが、慣れるまでは毎週書いているような気がする。というか、今でも慣れきってはいないのだけど。
締め切りが前週の木曜日で、そこから校正のやり取りをする。そして、掲載されてホッとすると、次まで1週間もない。毎週連載している方などは、ほぼ毎日何かを書いている感覚なのだろう。
連載自体は「ミドル世代」に焦点を絞っている。若い頃のキャリアは、比較的直線的だ。まずは、与えられた仕事で一流になることに夢中になるだろう。もちろん会社を辞めたりすればそれは相当のY字路経験ではあるけれど、基本は成長基調にある。
ところがミドルの場合は、いろいろだ。明らかにラインを外れるようなこともある。ところが、そのように見えながら、実は会社はもっと深いことを考えていることもあり一筋縄ではいかない。
成長期と異なり、出向からの「返り咲き」も当たり前で、むしろ多様なキャリアパスの中から次代のリーダーを選抜していこうとする動きも強い。ところが、勝手に早合点して自分の未来を決めつけてしまうケースもある。
一方で、独り相撲で迷路に入ることも多い。自分の仕事の意味や会社からのミッションについて、妙に考えすぎてしまう。その結果、いろいろ悩んで心の健康に障る人もそれなりにいる。
人によって事情はさまざまだが、共通していることとしては「齢を重ねている」ということ自体が大きな理由だと思う。それじゃ、あまりに身も蓋もないので、もう少し細かく言うと「知識や情報が多過ぎる」ことが原因になっているのではないだろうか。
会社の中でもいろいろな人事異動や先輩のことを見て来ているし、他社のことも知っている。若い時であれば、「微妙な人事」を意に介さずにいい意味で勘違いしてしまう人もいるけれど、ベテランには少ない。
そして、いろんな情報を知り過ぎるあまり自分のことを決めつけてしまうのだろう。
この辺り淡々としている人は、あまり情報に頓着しないような人だったりする。考えてみると人事案件についての噂好きというのは、あまりリーダー向きではないし、そういう人がリーダーになるような組織はちょっとまずいだろう。
ある程度歳をとった人に「無頓着になれ」といっても今さら難しいのかもしれない。ただ、意図的に情報から距離を置く習慣は大切だと思う。。
そして若い人にアドバイスすることはシンプルだ。「妙に情報通の先輩や、社内事情に詳しい人とは上手に距離をおけ」ということかな。
単なる年寄りになるのはやむを得ないけど、耳年増になることは避けられるはずだしね。
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