ぬか漬け三昧の日々。
(2016年7月7日)

カテゴリ:世の中いろいろ
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IMG_053650歳を越えて2年半ほどになるけれど、何か始めてみようかと思ったことがあって、それは“ぬか漬け”だった。

前から関心はあったんだけど、こういうのはきっかけが要る。SNSで知人が紹介していた無印良品のケースを買って、「上手に漬かる」という鉄粉ぬか床で始めることにした。ぬか床にも、スタートアップ用のモノがあるのだ。

糠は生き物というけれど、本当にそうだ。2年を経過して最近は調子がいい。というかちょっと良すぎるくらいだ。キュウリなどはあっという間に漬かってしまうわけで、一部冷凍して若い糠を入れた。

つまり2年ほど経ってようやく本調子になってきたわけだが、糠というのはもっともっと長生きだという。何十年も経った糠で漬けたものを出す店もあるくらいだから、少なくても自分より長生きできるのだろう。

それにしても、実際に漬けてみると面白い。定番のキュウリや大根、ニンジン、カブもいいけれど、大概の野菜は漬かる。今の時期ならアスパラガスやプチトマトもうまい。キャベツやピーマンは安定的で、軽く下茹でしたジャガイモも味わい深い。

そして、ぬか漬けは酒にも飯にも、当然おいしい。

ただ、いろいろ食べてみると。定番の野菜がやはりいいと思う。プチトマトに軽く切れ目を入れて早めに上げればワインにも合う。漬けたジャガイモは、焼酎もいいだろう。

ただ、「やっぱり」と思うのはキュウリや大根になる。

もちろん、人によって好みは異なるだろうけど、これほど四季の野菜を楽しめるものはない。

ただし、困ってしまうのは料理屋で出される漬物が、どれも今一つに感じること。そして、京都に行っても「とりあえず漬物を買う」という選択肢がなくなることだろうか。

いや、どこに行っても売ってる漬物には食指が動かない。

ちなみに、紹介している鉄粉ぬかだが、ずっと使っているわけではない。当初に味が決まるのはいいが、続けて使うと塩の強さが気になるし、味が「決まり過ぎる」ように感じる。

というわけで、普通の糠を足して、塩や昆布や唐辛子を入れながら勝手に満足する。

暑さが増して、糠を宥めるのも一苦労だ。ただ冷蔵庫を使うこともできるわけだし。この季節に糠漬けを始めるのもいいかもしれない。

それにしても「ぬか漬け作りたい」というのは、典型的な隠居願望なのだろう。定年も伸びて年金も怪しく、そうそう隠居は難しいはずだが、ぬか漬け作ればどうにかなるかもしれない。

いや。これこそがあり得ない発想だとは十分わかっているのだけど。そのあたりを忘れ去れてくれるのも、ぬか漬けのよさかもしれない。