2016年07月アーカイブ

子どもの頃、夏休みになると周りの友達が「いなかに帰る」という。­

ところが、この意味がよくわからなかった。僕は父の祖父母と同居していて、両親ともに東京出身である。一体「いなか」ってどこなんだろうか?というのがピンと来なかったのである。

妻の出身地は東京ではないのだが、夏は結構暑い。一度夏に行ったが、皆で部屋でメシ食うくらいしかすることもなく、帰省は他の季節になった。

というわけで、盆の頃は東京にいる。

ただ、それだけだと芸もないので都内か横浜のホテルに泊ったりしてみたんだけど、これが結構楽しい。会社を辞めた頃から続けているので、10年以上になる。

何をするかというと、まあ大体は読書だ。

印象的なのが、2005年の夏のこと。行きがけの書店で買ったのは佐野眞一の「阿片王」だった。第二次大戦時の満州の闇を描いたドキュメントだったが、部屋から見えるのは首相官邸と議事堂だ。しかも郵政解散で、永田町はガラガラ。8月15日に霞が関界隈は半旗だった。

泊まったのは今はなきキャピタル東急だった。というか、今も同じ名前で同じ場所にあるけど、名前以外は全く違うホテルになって、泊まったことはない。 >> 都心のホテルで、「大人の夏合宿」のすすめ。の続きを読む