2016年07月アーカイブ

それにしても「なぜ弱者を大切にするべきか」という理由をわかりやすく説明することは難しい。少なくても、「優しくしましょう」という情緒的な説得だけでは限界がある。

ただ、「弱者の視点で考える」ということは、相当に合理的だと思うので、ちょっと書き留めておきたい。

会社員時代に新人教育を3年間ほど担当したことがあった。その時にアタマの中でこういうコンセプトを持っていた。

「新人は会社の中で最も弱者なのだから、最大の資源を投入するべき」という考え方だ。

これは、実際にはほとんど口にしなかった。説明し始めると結構難しいのだけれど、学生時代にロールズなどの社会正義論を学んだこともあったので、自分なりに前からやってみたかったのだ。

結論的にいうと、この発想は正しかった。

何かの講義で、新人が「わかりにくい」というのは、よく研究すると話し手に問題がある。新人は知識面では最弱者だが、彼らに分かりやすく話せる人は外にいってもプレゼンテーションがうまい。

また、配属後に新人が行き詰ったりするときも、彼らが最弱者であると仮定すると、その組織の問題がよく見える。いろいろとうまくいってない組織は、いきおい新人にしわ寄せが行く。

つまり、弱者を基準に環境を最適化することは、全体にとっても最適化をしていくことになるのだ。 >> 弱者を大切にするのは合理的だと思う。の続きを読む